将棋と囲碁

26歳の井山名人が伊田十段を破り、囲碁界初の七冠独占を達成した。名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段の七大タイトル戦が揃った1976年以来初めての快挙で、まさに日本プロ碁界の歴史に金字塔を打ち立てたと言える。将棋界では羽生名人が、20年前に25歳で七冠独占を達成している。その羽生名人は頑張れば出来るというものではなく、井山名人が挑戦中に気力、体力、精神力を維持し続けたことを称賛している。井山名人は5歳のときにテレビゲームで囲碁を覚え、小学2年で小学生名人のタイトルを取っている。子供の頃は、囲碁に負けると泣いたという。将棋の谷川元名人も負けると涙を流したというから、勝負師には幼い頃から負けん気が必須条件なのだろう。自分は子供の頃将棋で遊んだことがある。今でもNHK杯のテレビ観戦は欠かさない。実力はアマの初級程度ではあるが、テレビを観ながらプロの次の一手はどう指すのかを思い巡らし楽しんでいる。囲碁については、ルールは知っているが、定石も戦術もよく分からない。以前囲碁の上手い親戚の叔父に、石を打つ順序について訊ねた事がある。叔父は、大きい所から打ってい行くのだと教えてくれたが、それは禅問答としか聞こえなかった。井山名人の囲碁の特徴は自由奔放さにあり、定石に囚われず人の思いつかない手を編み出し、鋭い攻撃力と反撃力にあるとのこと。未だに囲碁は分からないが、井山名人の強さの秘密は分かるような気がする。囲碁の世界では、日本は中国、韓国に後れを取っている。井山名人の目標は、究極である世界一とのこと。是非とも人間に勝ったAIアルファ碁にも勝利してほしいものだと思う。