米国と日本の笑い話

米次期大統領選が前代未聞の展開を見せている。共和党はトランプ降ろしにやっきで、共和党支持者は民主党のクリントン支持に回ろうとしている。一方民主党支持者はトランプ支持に回ろうとしているから面白い現象だ。もしトランプ氏が大統領になったらどうなるかを米証券会社が試算している。主張通り不法移民1100万人をすべて強制送還すると賃金の高い米国人が働くことになり、GDPが5.7%縮小する。海外の製品に高い関税をかけると言っているが、海外でその製品を作っているのは米企業だから自分たちの首を絞めることになる。それらの結果、米株は半値になるという。主義主張を通せば、期待とは正反対の結果が生まれるという笑い話に近い。だが、米国だけを笑っている場合でもなさそうだ。日本では、一時的な効果でしかなかった黒田バズーカの次策としてマイナス金利を導入したが、期待とは正反対に円高・株安に動いていしまった。金融政策だけでは無理として、ノーベル賞経済学者が3人も来日し安倍首相に財政出動を提案した。うっかりその言葉に乗って際限のない財政出動などしようものなら、日本のデフォルトは間違いない。恐ろし話だが、日米に共通しているのは、笑い話のような無責任さだ。世の中、軽薄さと無責任が跋扈しているようだ。