188(いやや)と189(いちはやく)

昨年7月に電話番号188番と189番が新設された。188番は消費者庁の消費者ホットラインで、189番は厚労省の虐待相談ダイヤル。ところが188も189も利用率が極めて低いとのこと。188を知らない人が9割もいて、自分の住んでいる街に消費者センターがあることを知らない人が6割にのぼるという。消費者センターは全国に763ヶ所もあり、ほかに全市町村に消費生活相談窓口があり、188にかけると最寄りの窓口に案内される。土日祝日は国民生活センターで相談を受け付ける。受け付ける相談内容は、悪質商法による被害、訪問販売・通信販売等による事業者とのトラブル、産地の偽装、虚偽の広告など不適切な表示に関する事業者とのトラブル、安全性を欠く製品やエステティックサービスによる身体への被害など、消費者の生活に密着しているのに何故か利用率が低い。語呂合わせの188(いやや)までは考えたようだが、活用については消費者庁の宣伝不足と言うよりは、怠慢と言うべきだろう。一方189も188と状況が似ている。189は年中無休、24時間体制で開設したものの「繋がる前に切った」人が75%もいるという。開設から5か月間で、5万件の呼び出しがあり、そのうち4万件近くは児童相談所に繋がる前に切れてしまったとのこと。固定電話の場合は自動的に最寄りの児童相談所に転送されるが、携帯電話の場合は利用者の住所の郵便番号などを入力する必要があるので面倒だ。しかもガイダンス音声が2分と長過ぎる。厚労省は1分に短縮すると言っているが、1分でも長過ぎる。189(いちはやく)と名付けてみたものの、実態は(いちはやく)には繋がらない。188も189も、まさに「仏作って魂入れず」の典型例と言えそうだ。