悪徳商法学園

三重県伊賀市にあるウィッツ青山学園高校には呆れてしまった。通信制の生徒をユニバーサル・スタジオ・ジャパンに連れて行き土産品を買った際におつりの計算をしたことで「数学」の授業を受けたことにしたり、移動中のバスで映画を見たことで「国語」や「英語」の授業を受けたことにしたとのニュースが、バラエティ情報番組を賑わしていた。酷い高校があるものだと呆れていたら、裏ではもっとあくどい事をやっていたようだ。寧ろこの授業の話の方が可愛く見えてきた。高等学校等就学支援金の不正受給の疑いで、東京地検特捜部が捜査のメスを入れた。年収350万円未満だと就学支援金が年間23万7600円支給される。その支援金を学校が受け取り、生徒は授業料を払う必要がないのがウリ。授業料以外に40万円の学習支援料がいるが、県の奨学金48万円を学校が申請する。奨学金は返済が必要だが、年収が200万円なければ申請して猶予される。年金をもらう年まで毎年申請し続ければ、年金は200万円以下だから死ぬまで払う必要はなくなる。生徒が必ずやらなければならないのは、年2回面接指導と称して伊賀市の学校に行って写真を撮るだけ。あとは何をしなくても卒業証書と成績表が貰える。こう宣伝し生徒を集めているという。更に年収350万円未満の生徒を紹介すると、紹介者には紹介料25万円が支給される。何と紹介者には飯能市議もいたというから二重の驚きだ。まさに、不登校の子や高校を中退した子たちの「高卒の資格がほしい」という願いを逆手にとって、金儲けに使ったひどい悪徳商法だ。ちなみに親会社は東理ホールディングで、株式会社ウィッツが運営している。ウィッツは全国に30程度のLETSキャンパスを持っている。教育に風穴を開けると期待を受けて始められた株式会社の学校が、公の支援制度を利用した悪徳商法の組織に成り下がり、法の穴を掻い潜ったのだ。悪徳業者はすぐ傍にいるかもしれない。各々方、油断めさるな。