明暗併せ持つ企業

LIXILの藤森社長が唐突に退任すると発表した。4年前日本GE会長の藤森がLIXILの社長に抜擢され、日本でもプロ経営者が活躍する時代になったのかと話題になったものだ。その後もローソンの新浪会長がサントリーに、日本マクドの原田会長がベネッセに、コカコーラの魚谷会長が資生堂に移り、企業を渡り歩く経営者が増えている。新聞には、5年が一区切りなので予定通りの退任、中国の子会社の不正会計問題とは無関係、グローバル化で手腕を発揮し就任後海外売上比率を拡大、と藤森の良い事ばかりが書いてある。しかし、LIXILは今年の春に中国の子会社の不正会計が発覚し600億円を超える損失を出し、この問題が尾を引いている。巨大損失の原因を調べるため、社内調査委員会と特別調査委員会を設置したが、LIXILはその調査結果を公表しないと言う。経営トップに疾しい所があるのだろう。通常600億円もの損失が出れば、徹底的に調べ上げ、結果を公表するとともに責任追及するのが当たり前だ。株主はどう見ているのだろう。LIXILは自浄作用の無いブラック企業と評価しているはずだ。問題を有耶無耶にしたままで社長が交代することになる。交代と言うよりは、逃避と言うべきだろう。一方LIXILはテニスの錦織選手のスポンサーでもある。錦織から受けるLIXILのイメージは明るい。LIXILは極端に明暗併せ持つ企業のようだ。