大海の嵐の中

米連邦公開市場委員会が9年半ぶりにゼロ金利政策を終了し利上げを決めた。今年は1年中いつ上げるのかと騒がれていた。米国が金利を上げると、新興国などへの投資資金が米国に向かい、新興国では貨幣価値が下がりインフレになり国民生活が苦しくなると言われていた。日本でも株価が暴落するとも言われていた。ところが、いざフタを開けてみると、日本では株価が急上昇。噂と言うか経済学と言うか、当てにならないものだと思う。原油の下落も同じだ。原油価格は昨年の夏には100ドル以上だったが、今はたったの35ドルに下落している。つい最近までは、日本は原油の輸入国だから原油の高騰は日本経済に大打撃を与えると言われていた。ところが、いざ下がると逆オイルショックと言われるように、世界経済を冷え込ましてしまうと経済評論家は言う。日銀総裁などは、原油が下がるので物価目標2%の達成が難しいと言い出す始末だ。金利も原油も変動すると、経済にどちら向きの力が働くのか、誰も分からない。全てが後付の理屈で説明されているようにみえる。グローバル化が進み過ぎて、従来の経済学では説明不能。我々人類は大海の嵐の中で運航不能になった小舟に乗っているかのような気持ちになる。