電球の進化

電球がまたひとつ大きな進化を遂げたようだ。厚みが炭素1個分のグラファイト構造でシート状の「グラフェン」が光源になるという。世界で最も薄い厚さの電球の誕生だ。非常に軽量かつ鋼よりも固い「グラフェン」という物質は2004年に発見されたばかり。コロンビア大学の研究者が4年前に発光することに気付いたという。電流を流すと2500度以上の高温になり発光するようだ。しかも「グラフェン」は高温になると熱を殆んど伝えないため電線との接続部は溶解しないメリットがあるとのこと。将来的には半導体チップの電子回路の代わりに光を利用する技術への応用にも期待されており、これが実現すればコンピューターは様変わりするかもしれない夢の物質のようだ。電球と言えば、発明王エジソンが白熱電球を発明したのが約140年前頃だ。日本の竹を炭化したグラファイト製のフィラメントを用いたことがこの発明を産んだことで有名だ。その後蛍光灯が発明され、今はLEDが主流になりつつある。そしてLEDの次が「グラフェン」になるかもしれない。エジソンは多層状のグラファイトを使ったが、この研究でたった1層のグラファイトに到達した。「グラフェン」の研究成果も凄いと思うが、1世紀以上前にグラファイトで電球を発明したエジソンはもっと凄いと改めて感心した。偉大な発明家は、科学の原理まで見通しているいるようだ。