日本国債の格付け引き下げ

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズS&Pが日本国債の格付けをAA-からA+に引き下げた。数日前にS&Pは韓国をAA-に引き上げたので、日本は韓国や中国よりも危険だと評価されたことになる。これで日本国債の格付けはS&P、ムーディーズ、フィッチの米欧大手3社全てで「シングルA」格になった。あと一つ下がればジャンク債になる瀬戸際に立たされている。日本に対して格付け会社の評価が低い理由はアベノミクスだ。一向に経済は上向かず、今後数年先までの経済成長も望めないと見ているからだ。日銀のバズーカで株は上がり企業も最高益を記録した。政府や大企業はアベノミクスを評価している。一見アベノミクスは成功しているかのように見える。だがGDPは前年比マイナスの状態であるし、給与も上がらず消費も伸びていない。国民から見ても生活が上向いている実感はないし、これから良くなるとも思えない。数年前日本がバツワナと同じレベルに評価された時、格付け会社の評価はメチャクチャだと思っていたが、案外的を射ているのかもしれないと思えてきた。日本経済を上向きにさせるには、お金を使う事だ。個人金融資産は1600兆円で、これとは別に企業は340兆円も溜め込んでいる。この約2000兆円を使う政策があれば、経済が活性化するのは間違いない。個人も企業も使わない理由は、将来が見通せず不安があるからだ。その不安を取り除く政策こそが求められているのだが、それに気付く政治家は未だに現れていない。それが日本の悲劇なのかもしれない。