卑劣な成年後見人たち

成年後見人が成年被後見人の財産を着服する不祥事が年々増えているという。不正が理由で後見人が解任されたケースは、昨年だけでも22件もあり被害額は5億円以上に上っているとのこと。会社に勤めていた頃は、成年被後見人という言葉は聞いた事もなかった。会社を辞めて、マンション管理士の資格を取るため民法を勉強した時に初めて知った。民法7条には「成年被後見人とは精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所により後見開始の審判を受けた者をいう」とある。要するに、自分がこうすればこうなると分かる程度の能力も無い人のことを言う。被後見人の行為は、日常品の購入などの行為以外は全て後見人が取り消せる権利がある位なので、後見人は極めて重大な責務を担っている。それほど大きな責任を負っている後見人が、何も判断出来ない被後見人の財産に手を付けたのだ。被害者を騙したのではない。被害者は何をされても分からない状態なのだ。何をされても分からない人から、保護すべき人が財産をくすねていくのだ。しかも、後見人は弁護士や司法書士や行政書士などの肩書のある、社会的には一応信用された人達なのだ。極めて質の悪い犯罪だ。人間誰しも見えない所では、内部の悪魔が囁きかけることがある。自分は後見人の経験がないから、今は酷い後見人だと非難している。だが、いざ本当に後見人なった時真っ当に職務を遂行出来るのかは分からない。後見人には悪魔が目覚めないような制度作りが早急に必要だと思う。