チンドン屋と監査法人

1500億円もの利益水増し不正操作をした東芝が、社外取締役を増やして再建に取り掛かるという。果たして、これで再建出来るのだろうか。東芝の問題は、企業統治の欠如と柱になる収益事業が無いことだ。アサヒHDの池田相談役、三菱ケミカルHDの小林会長、資生堂の前田相談役が新たに社外取締役に就いた。そうそうたる顔ぶれだが、出来る事と言えば社長に対しやんわりと苦言を言う程度の事だろう。今よりは少しマシかもしれないが、多くは望めない。一流の経営者だから、収益体質に変えられるかというと、この業界ではズブの素人だからこれも叶いそうもない。まあ形だけのお飾りと言えそうだ。謂わば、再建大売出しのチンドン屋みたいなものだろう。東芝が再建のために最初にすべきことは監査法人の変更だと思う。適正な会計検査が出来なければ、本当の姿が見えてこない。実態の正確な把握が最初にやるべきことだ。東芝の会計監査は新日本監査法人が行っている。第三者委員会による不正会計調査では監査についての指摘はないが、問題は新日本監査法人の体質だ。不正会計が問題になる企業は、以前から殆ど決まって新日本監査法人を使っていた。日航、IHI、オリンパスしかり、新日本監査法人の前身である中央青山監査法人のヤオハン、山一證券、足利銀行、カネボウ。監査先企業との癒着や馴れ合いが企業体質なのだろう。金融庁は、もっと厳しく監査法人を監督指導すべきだ。このままでは東芝に留まらず、日本の監査は信用出来ないことが世界の常識になってしまう。いや既になっているのかもしれない。それにしても何故金融庁は動かないのだろうか。