大化けするか「米ゲル」

農研機構食品総合研究所が新しい食品素材を開発したと発表した。米は古来からある食材だが、米をゼリーのような「米ゲル」に加工する技術を開発し、米をパンや麺などの代替食品素材あるいはプリンなどの加工食品に変えることが可能になったという。製法は簡単だ。原料はアミロースを25%程度含む高アミロース米。粘りの少ない米で、飼料用に生産されている。その高アミロース米を粒のまま水を加えて炊飯し、糊状にし高速せん断撹拌をすると「米ゲル」が出来る。水分量の調整により、軟らかいゼリー状のものからゴムまりのような高弾性のものまで自在に調節可能。そのためプリン、ムース、クリーム、パイ、パスタ、麺等の多様な食品の製造が出来るとのこと。更に卵や油脂の使用量を減らした低カロリー洋菓子類も出来るようだ。現在は小麦アレルギーの人も多く、小麦フリーのパンやパスタが望まれている。主食が米から小麦に置き換わりつつあり、日本の食糧自給率は低下の一途を辿っている。「米ゲル」のインパクトは大きい。低カロリー化、脱アレルギー、食糧自給率の向上等々、願ったり叶ったりの夢の食材になるかもしれない。是非とも開発の成功を願いたいものだ。