選手も観客も楽しんだテニス

手に汗を握る面白い試合だった。男子テニスツアーのマスターズ500ハーレ・オープンの2回戦、錦織対ブラウン戦がゴールデンタイムに放送された。ブラウンはトリッキーで大物喰い。昨年は2回戦で、あのナダルをストレートで下した実績があり番狂わせを起こすことで知られている危険な選手とのこと。初めて見たが、長く編んだドレッドヘアーとノースリーブと柔軟で強靭そうな体付きは、テニス界では異様に映る。陸上のボルトみたいで強そうに見えると思ったら、父がジャマイカ人で母がドイツ人らしい。第一セットは、5-5まで互いにサービスゲームをキープし、どちらがセットを取るか分からない程互角。ハードヒットだけでなく緩急の使い分けも自在だ。200km超のビッグサーブを放ち、ネットダッシュしてリターンボールをネット際にポトリと落とす。さすがの錦織も拾えないシーンが何度もあった。結局第11ゲームでブラウンがブレークされて、次に錦織がキープし7-5で錦織が第一セットを取った。第二セットは錦織が圧倒し6-1となりゲームセット。まるでトンネルズの番組に出て来る錦織とアガシやマッケンローとのゲームを観ているようだった。観ていて面白い試合だった。きっと、錦織もブラウンもゲームを楽しんだに違いない。増々テニス熱が上がりそうな気配だ。