日本語の崩壊とNHKの責務

もう昔の話になるが、20年くらい前静岡県に単身赴任をしていた時、一人寂しくテレビを見ることがちょっちゅうあった。その頃静岡の地方テレビに、梶原しげるというアナウンサーかタレントみたいな人が出ていた。結構人の心を癒す技を持っているので、親しみを感じていた。先日その梶原さんが書いた「NHKアナウンサーは何故日本語力が崩壊してしまったのだろうか」というネット記事を見た。NHKのブラタモリに出て来た初顔の女性アナウンサーの言葉が、正しい敬語やアクセントではなく、日本語が崩壊していると嘆いているのだ。自分も初回のブラタモリの女性アナウンサーを見て「この発音おかしくない?」とカミサンと顔を見合わせたことを思い出した。確かに標準語ではない。最近のアナウンサーで正しいアクセントで話す人は稀だ。NHKの7時のニュースでお馴染みの武田真一アナウンサーでさえも、イントネーションがおかしい時がある。我が家では、その度に「今の発音は、こう言うべきだよね」と指摘し合っていたが、今では多過ぎて又かと顔を見合わせるだけで済むようになってしまった。敬語の使い方も同じ状況にある。梶原説によると、職場の敬語崩壊はパワハラ問題と関係しているとのこと。昔は何処にも怖い上司がいて、部下の間違った敬語の使い方を容赦なく指摘し指導していた。ところが、今は何でもパワハラと言えば、文句が付けられない時代になっている。パワハラというパワーで怖い上司は壊滅してしまったようだ。敬語を使うのは難しい。昔はその都度親が子供に教えてきたが、今は教えることの出来る親の数も減った。だが、敬語は昔から教養のバロメーターであるし、生まれ育ちを知る手掛かりでもある。せめてNHKのアナウンサーくらいは正しい敬語を使い、後世に伝え続けて欲しいものだと思う。