肩の荷が下りた瞬間

毎年ゴールデンウイーク明けは、軽井沢のテニス合宿に参加するのが恒例だった。今年は、三男の嫁さんがお産で入院中なので、孫のお守りをすることになり、参加は辞退した。その代り例年通り幹事役を引き受け、ホテルの手配とテニスコートの予約を行った。2月の中旬にコートの予約を入れてから参加要領をメールし、参加人数を把握してからホテルを確保した。ところが今年はそれからが一苦労だった。合宿に参加するメンバーは会社のOBとその連合い。昔はテニスでならしたとはいえ、年齢は78歳を筆頭に若手は66歳と高齢なのだ。皆何処かしら故障を抱えている。合宿の日が近づくにつれ、櫛の歯が毀れるように辞退者が増えてゆく。当初18名だった参加者が一人消え二人消えして、10名になってしまった。辞退者が出る度にホテルへ変更の連絡をする。初めの内は、変更はある程度あるものだと割り切っていたが、度重なるのでホテルへのメール文は謝罪の文字がテンコ盛りになった。12名になった時は、もうメールを見るのが嫌だった。辞退のメールは無いよねと、顔を背けて目を細め見たくないものを見るようにメールを確認していた。そして10名になった時、もうこれ以上辞退者が増えたら、合宿自体が中止になってしまうのではと恐れるようになった。そうなると増えないことを祈るしかない。その祈りが通じたのかもしれないが、その後辞退者もなく、明日から10名での合宿が始まることになる。まさに肩の荷が下りた瞬間だ。