成果が得られそうもない日米交渉

日米交渉でオバマは尖閣は安保適用範囲内と明言したが、TPP交渉の大筋合意には至りそうもない。野田前首相が尖閣を国有化した時、米国が戦後に尖閣は日本の領土だと明言した通りだと発信していれば、尖閣問題はこれほど拗れなかったに違いない。だが当時のオバマは敢えて領土の帰属を曖昧にした。だから尖閣問題の種を蒔いたのはオバマだとも言える。今回オバマはその尖閣を日本の領土だと明言することと日本のTPP大幅譲歩とのバーター取引を持ちかけた。更にTPPの大筋合意が出来なければ、日米宣言に尖閣を表記しないと思われるプレッシャーをかけてきた。尖閣とTPPどちらが重いのだろうか。安倍はオバマが明言したことを喜んでいるが、元々尖閣は日本の領土として国際的にも認められている。オバマが蒔いた種を自ら拾っただけに過ぎない。一方TPPは未来永劫に続く経済的かつ政治的関係の土台作りだ。どちらが重要なのかは言うまでもない。尖閣とTPPを秤にかけるオバマの考えは甘過ぎる。日米合同記者会見のオバマと安倍のスピーチは冗漫さが目立った。オバマが増々小さく見えてくる。やはり銀座の寿司と宮中のディナーを食べに来ただけなのかと些か失望した。