統一球の根底にある問題

昨年決着したはずの統一球の反発係数がまた問題を起こしている。規格は、反発係数0.4034~0.4234だが、抜き取り検査の結果平均で0.426の数値が計測され6球場のうち5球場で上限を超えていたとのこと。今年の統一球は飛び易いのだ。統一球を製造販売しているのはミズノで、購入しているのは日本野球機構。通常の商売であれば、購入側がスペックを提示し、供給側がスペック内の製品を作り納入する。もし製造でスペック外が出来てしまえば、製造側の責任で不良品を出荷停止にするため、購入側に不良品が渡ることはない。これが常識だ。ところが野球の世界では違うらしい。製造側も購入側も製品をノーチェックで行っているようだ。日本野球機構が抜き取り検査をして、初めて規格外であることが分かり公表された。ミズノは製品管理をしていたのだろうかと疑ってしまう。ミズノ側に問題が2つある。1つは、不良品を出荷したこと。品質管理体制が問われることは間違いない。もう一つは、守れもしないスペックを取り交わしていること。硬式球の芯はコルクなので反発係数はそれに左右される。コルクのバラツキを管理出来なければ、反発係数を管理出来るはずがない。守ることも出来ないスペックならば、規格変更を要求するか製造を辞退すべきだ。従来数社で供給していた硬式球の製造をミズノ1社に統一したことが統一球問題の根底にありそうだ。