ICHI-METERの次に来たもの

日米通算3017試合に出場し野村克也の日本プロ野球記録に並んだ。勿論イチローだ。その時のコメントが「あっ、そう」だ。更に「出るだけでカウントされるものに価値を見いだせない」と言う。とてもイチローらしい。イチローは1994年にスタメンになって以来去年までそれを維持してきた。大リーグでは10年間も続けて200本安打を放ってきたが2011年に途絶えた。この年を境に全盛期は終わったようだ。今から考えると、2009年の開幕絶不調と胃潰瘍は、高みを究めるための現役選手の拘りだったのだろう。身も心もICHI-METERに拘ったに違いない。それほどの極限まで拘ったからこそ得られた成績なのだろう。ところが今年は初戦からスタメン落ちで出番なし。意気消沈しているかと思うがそうではない。ベンチの中でも明るいし、出番があると溌剌とプレーをしている。何か吹っ切れたと言うか、次元が変わったような感じがする。多分、イチローは仙人の境地に辿り着きつつあるのだろうと思う。既に欲もない、拘りもない、雑念もない。ただ、野球が好きだ。特にヤンキースのfor the teamにゾッコン。その環境下で野球を楽しんでいる。そうに違いないと「あっ、そう」で確信した。