カニとカエルと道路閉鎖

啓蟄も過ぎ冬眠から目覚めたカエルが我が家の庭に現れた。まだ眠いのか動きは鈍い。この季節になると夜の庭を歩くときは慎重になる。カエルを踏まないよう一歩一歩足元を確かめながら歩かねばならない。道路では2匹の大きなカエルが車に轢かれていた。可哀そうにと思う。欧米では動物愛護活動が盛んだ。イギリスではカエルの集団が産卵場所に移動する際、安全に道路を横断できるようにと1ヶ月間道路が閉鎖されたとのこと。動物愛護の活動家が役所に掛け合い道路閉鎖の許可を取り付けたらしい。もし日本で同じことをしたらどうなるのだろう。許可を申請した本人は間違いなく変人扱いされるだろうし、役所は受理もしないだろう。勿論新聞ネタにもなりはしない。万一許可が下りたとしたら住民の苦情殺到で役所は機能不全に陥るに違いない。昔九州に住んでいた時、カニの大群が海から山に上がる途中の道路を横断している所に出くわしたことがある。車に轢かれたカニの残骸が夥しいほど道路を埋め尽くしていた。この時この時期くらいは道路を車両通行不可にしてあげれば良いのにと思ったものだ。日本の動物愛護はまだ「思った。可哀そう」のレベルで足踏みしている。一歩踏み出す時節は間近だ。