火種をばら撒く人

中国が尖閣諸島上空を防空識別圏に設定したので、またひと悶着ありそうだ。領空とは領土や領海の上空を指し国の主権が認められている。領空の外は公海と同じ概念でどこの国でも飛行出来る。ただし米国や日本は領空の周りに領空侵犯されないよう警告ゾーンとして防空識別圏を設定してある。中国が国際法に準じて防空識別圏を設定することは勝手だが、日本の領土である尖閣諸島の上空も含めてしまったことに問題が有る。防空識別圏では予め飛行計画の提出や監視機関への通報が義務付けられる。それを怠ると撃ち落とされる恐れがある。中国は尖閣を中国のものと主張しているから尖閣上空も含めたのだろう。一方日本は尖閣を日本の領土としているから従来から日本の領空そのものだ。早い所決着しないと戦争の火種になりかねない。尖閣諸島は1970年代に米国から返還された。尖閣を国有化したときに中国が騒いだが、その時にオバマが「尖閣の主権は決着している。米国が日本に返還した」と事実通りに明言していれば、このような火種が生じることはなかったはずだ。オバマの優柔不断で曖昧模糊とした言動が、世界中に火種をばら撒いているように見える。