今年の漢字は「倍」か「偽」か

日本漢字能力検定協会が毎年実施している「今年の漢字」の募集が始まった。京都清水寺の貫主が揮毫パフォーマンスをするあの一字だ。一昨年は東日本大震災があり「絆」、昨年はロンドン五輪の史上最多メダル数獲得で「金」が選ばれた。今年は「倍」が本命だと言われているようだ。半沢直樹の「倍返し」やアベノミクスの「安倍」を考えれば肯ける。しかしここにきて強力な対抗馬が現れた。今日本では全国的に至る所で食品偽装の懺悔の嵐が吹き荒れている。中には料理名を名付けた料理長以外の全ての料理人は知っていたという恍けた店まであった。料理長が知らないはずがない。言い訳までも偽装をしている。ここまでくると立派な笑い話の領域だ。従って対抗馬は食品偽装の「偽」。ところが待てよ、2007年も確か「偽」だったはずだ。「白い恋人」や「赤福」の表示偽装や年金記録問題や「発掘あるある大事典」の捏造が問題になった年だった。「偽」は繰り返すということかもしれない。「偽」「偽」「偽」残念。