ひたすらな気持ち

今日は朝から雨だった。朝早く何時もの通りに門まで新聞を取りに行くと、1階の軒下にチビが丸くなっていた。ヤアと声を掛けると小さな声でニャーと答える。今日は一日中雨だった。時々チビは家に帰ったのかと気になり様子を見た。でも何時もチビは同じ場所にいた。家を追い出されたのだろうか。寒くはないのだろうか。この家に居すいてしまったのだろうかと色々思いが巡らした。夜になって今でも雨が降っている。チビのいた場所はすでに水浸しに違いないと思った。2階からソッと見るとチビがいる。何かとても可哀そうな気分になってきた。カミサンに毛布を持っていったらどうと提案したが、カミサンは貴方が持って行けばと言う。こういうものは女の優しさが必要なんだと言ってカミサンに託した。暫し無言の時間があってから、今カミサンが玄関を開けて庭に出た。果たしてチビはいるのだろうか。