米国の異常と日本の異常

米国の債務上限引き上げ問題が可決され米デフォルトは土壇場で回避された。引き上げに反対していた共和党が得たものは中長期財政再建策に関する超党派の協議機関の設置で、失ったものは共和党の支持率と米国の信用だった。米国がデフォルトすれば米国債を多量に保有する中国や日本が大打撃を受けるし、世界経済の大混乱は必至だった。これ程の影響力を天秤に掛け、得たものは高が一国の協議機関の設置だけに過ぎない。共和党の独善主義が際立って見える。傍迷惑な党だと思う。しかし一方良い点もある。手段は兎も角財政再建策の協議会を作ったことだ。日本では米国以上に財政再建問題は深刻な状況にある。だが各政党が議論しようという気配すらない。日本では日本国債が暴落し経済が破綻しなければ協議会すら出来そうもない。米国の政治は異常だが、日本の政治は異常を異常と感じることもないほど異常な状態に陥っているようだ。