救いようのないソニー経営者

ソニーの全役員が今年の賞与を返上するというニュースが流れた。ソニーもとうとうここまで来たかと思った。役員を褒めているのではない。経営の拙さをいっているのだ。出井とストリンガーが凋落させたソニーは4期連続の赤字が続いた。5期連続を避けるため、片っ端から事業や保有株や不動産を売却してきた。それでも本業のエレクトロニクスが赤字のため、平井社長の提案で今回の賞与返上となった。だが役員個人から見れば賞与返上は経済上の大きな問題ではない。十分な年俸があり生活には何の支障もない。減俸や返上は一種の社内罰でキャリアに汚点が残るはずであるが、役員全員なので汚点が汚点として残りはしない。全役員賞与返上はパフォーマンスそのものと言える。だが役員の次には社員の賞与大幅カットが待ち受けていることは容易に想像がつく。社員は気が気ではあるまい。一方ソニーの技術軽視は更に甚だしく進んでいる。すでに技術者が千人以上流出している。今度は更に会社の貴重な財産である特許を放棄し始めた。無言の抵抗として中核の技術者が退職し社員がショックを受けている。経営者が社員を委縮させ、明日の飯の種になる技術を放棄してしまった。最早技術のソニーは崩壊してしまったと言える。今後ソニーという名の亡骸だけが街を彷徨うことになるのだろう。