成年後見人制度への疑問

成年被後見人が選挙権を奪われたとして政府を相手に起訴し、東京地裁が違憲判決を下した。テレビで見る限り本人の意見主張は明確であり、本当に成年被後見人なのだろうかと思う。だがどういう訳か、政府は判決に不服で控訴した。決着するには時間がかかる。自分が10年前にマンション管理士の資格を取るために勉強した時は、まずは民法から始まった。物事の大原則は憲法だが、その次に鎮座するのが民法だからだ。教えは私的自治の原則から始まり、次が制限能力者制度の章になる。権利という意味では制限能力者制度は重要だ。制限能力者と一口に言っても、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の区別がある。定義によると、成年被後見人とは「事理を弁識する能力を欠く常況にある者」で、被保佐人とは「事理を弁識する能力が著しく不十分な者」。簡単に言うと、成年被後見人とは「自分がこうすれば、こうなると分かる能力がない」と定義出来る。だが現実を見ると、訴訟を起こした成年被後見人は、意見明瞭で間違いなく成年被後見人ではない。定義から大きく外れた普通の人だ。間違っていたのは、この成年被後見人を、成年被後見人と認定した家庭裁判所の判断なのだろう。従って、この訴訟は原告の(疑)成年被後見人の勝訴で終わるべきだと思う。更に言えば、この訴訟を違憲判決というのはおかしい。裁判官は誤った判断をした。成年被後見人に選挙の権利を認めたのだから。本筋で言えば、この原告は、間違った裁定を下した家庭裁判所の裁判官に対し控訴すべきではなかったのではないかと思う。自分は俄か素人ではあるが、法律の専門家にこそ異議を唱えてほしいと思う。如何か、法律専門家諸氏。