シャープは小早川か

昔の早川電機から社名を衣替えしたシャープは、一時代は亀山モデルと囃された液晶で謳歌したものの、いま風前の灯になっている。液晶テレビの過当競争に敗れ、亀山の威光は既にない。生き延びるための模索が続いている。町田元会長はタチの悪い鴻海に援助を求めた。だが未だに鴻海からの援助は得られない。一方片山会長は、始めはインテルに声を掛けたが、今度は何とサムスンに声を掛けた。スマホ市場では、アップルとサムスンはライバルだ。鴻海はアップルの部品供給基地で、サムスンはアップルの最大の競争相手。今回のシャープの行為はアップルを寝返った行為とも言える。まるで関ヶ原の合戦を見ているようだ。アップルとサムスンの何れが家康になるのか興味は尽きない。だが、少なくとも言えることが一つある。シャープの経営理念は「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」とある。液晶独占という規模拡大の誘惑に負けて、足を踏み外してしまったことは間違いない。果たしてシャープは小早川秀秋になるのだろうか。もし成功すれば社名を小早川電機と改名すべきだ。少しは先祖返り出来るかもしれない。