11PMからPM2.5へ

昔は11PMという深夜番組が有名だったが、いまはPM2.5がマスコミを賑わしている。PM2.5とは勿論2時半、ではなく直径が2.5μm以下の超微粒子のことで、大気汚染の元凶である浮遊粒子状物質のことをいう。大気汚染の酷い北京から偏西風に乗ってPM2.5が日本に飛来し健康問題が騒がれ出している。それがぜんそくや気管支炎を引き起こすからだ。嘗て日本ではディーゼル車の排気汚染が酷い新宿柳町が有名だった。時の都知事の石原がディーゼル車の排気規制を行ったことを発端にして、日本の排ガス被害は飛躍的に改善された。いまWHOはPM2.5を25以下にガイドラインを設定しているが、北京では500以上が常態化していている。そして中国から流れてきたPM2.5が日本でも25を超えたとマスコミは連日騒いでいる。しかし、それに対し疑問を覚えるのは自分だけなのだろうか。翻って考えてみるがいい。日本は全世界の人々に対し3.11原発事故の時にどのような恐怖をもたらしてしまったのだろうかと。東電は垂れ流した。放射能汚染は深刻だ。いま現在、日本はPM2.5については被害者ではあると言えるが、放射能汚染については加害者だ。PM2.5を日本で解決に導いた石原の息子が、PM2.5を問題視していることは七光り故とは理解出来る。しかし、日本が放射能加害者であるということも弁えず、いまPM2.5だけを問題視していることはおかしい。PM2.5の息子の環境大臣はPM2.5だけに対処すべきではない。今まさに日本が世界に垂れ流した放射性汚染物質に対処することこそ、全世界が求めているということを知るべきだ。環境庁は日本の環境庁ではなく世界の環境庁であるべきだ。もし昔の巨泉が真面でいれば他人のバカ息子を諭すチャンスが到来していたのにと思うに違いない。残念ながらチャンスは逃げていくものだ。昔とは嘗てはあったが今はない、というものだと思う。残念。