博識者会議に変更すべし

官邸主導を目指す安倍政権の有識者会議が乱立している。産業競争力会議、安全保障の再構築懇談会、教育再生実行会議、歴史認識検討会議等々華盛りだ。これで物事が公明正大に決まるのかというと決してそうではない。会議のメンバーは主催者が選ぶので、主催者の思惑通りの結論が導かれることになる。主催者が有識者会議を開く狙いは、結論の権威付け、結論有りきのカムフラージュ、論理性の後付、責任逃れ、ガス抜き、先送りするための時間稼ぎなどいろいろある。日本の有識者たちは、有識者会議メンバーに選ばれたからといって能天気に喜んではいけない。この会議で有識者の自説が全て反映されることはない。寧ろ初めに設定された結論を導き出すために、自説を捻じ曲げられる苦痛を味あわされることになる。自説に強い信念を持つ人は参加したことを後悔し、自説のない人は有識者として参加出来たことを喜ぶことになる。有識者とは辞書を引くと「学問識見が広く高い人」とある。高くない人は有識者ではない。かくして有識者会議は、有識者ではないメンバーが大部分を構成することになる。いっそ会議名を博識者会議と変更した方が実体に合っているように思う。