洋上漂流物の回収

大震災の津波により多くのモノが太平洋に流出し、先日はアメリカ西海岸に漂着したサッカーボールやバレーボールの持ち主が判明したニュースもあった。今回は何とハーレーダビッドソンがカナダに漂着し話題となった。ボールやオートバイ程度であれば、微笑ましいニュースかもしれないが、問題はもっと深刻だ。内閣官房総合海洋政策本部の情報によると、大震災により生じたガレキは2000万トン以上と推計され、このうち500万トン程度が太平洋に流出。その7割程度が日本近海に沈み、残りの約150万トンが洋上漂流物となっている。米海洋大気局によると、米西部沿岸とアラスカに漂着したのはこうした洋上漂流物の先端部分で、ハワイ北部にも大量の漂流物があって、徐々に東へ向かっているとのこと。漂着した側の国の対応は大変だ。船舶運航への影響、海岸の汚染、漂着物の廃棄処理、放射能の確認と対策、形見であればそれなりの対応等々、天災とはいえ大変な迷惑だ。いま日本は漂流物の情報調査をメインの活動としているが、一刻も早く漂流物の回収と海底に沈ませる活動に移すことが必要だ。海は広すぎて手を付けようがない、と言うのは単に言い訳にしか過ぎない。傍迷惑な隣人は嫌われる。誠意を示すことしか挽回の道はないと思う。