風評被害の元凶

放射能の風評被害は、農業、漁業そして工業にまで及んでいる。本当に原因は風評によるものだろうか。風評被害とは、災害、デマ、誤報道により直接関係のないほかの人や物が損害を受けることをいい、顧客が危機回避のためにした行為は該当しない。過去には厚生省の堺カイワレ、TV朝日の所沢ほうれん草が有名だ。この大震災による放射能問題により、福島茨城の野菜は放射能が規制値以下でも売れなくなった。茨城の魚は値が付かなくなり、農水省は水揚げを拒んだ魚市場に対し卸売市場法に抵触すると言っている。特に福島茨城の野菜は全部汚染されているとか、コウナゴ以外の魚も全部同じだというデマはない。しかし市場業者や消費者は買わない。その答えは簡単だ。危険の範囲や程度が判断出来ないからだ。判断出来ないから危機回避せざるを得ない。この危険回避は風評の定義からみても風評には該当しない。回避するのは情報が乏しいからだ。情報を発信出来るのは政府だ。政府は正確なわかりやすい情報を発信していない。結局この大震災ではデマなどの風評そのものはほとんどなく多くの風評被害が発生したが、その元凶は政府の無作為による風評創出にあったという結論になる。今後、風評被害という言葉を聞くと、民主党政府、菅、枝野、松本、放射能という語彙が頭に出てきそうな気がする。