05日 6月 2023
最近「毛生え薬」のCMが目立つ。リアップとかニューモとかが新参で、リーブ21は最古参だ。毛生え薬の技術が確立しつつあるようだ。でも、ヒトの歯は毛生え薬のようにはいかない。まず乳歯が生え、次に永久歯が生えて終わる。永久歯が抜けてしまえば、義歯で補うしか方法は無い。ところが、日本の研究チームがマウスを使い「歯生え薬」の開発に成功したとのこと。ある遺伝子を欠損させたマウスは、歯の数が増えることを発見したのだ。その遺伝子によって合成されるたんぱく質USAG―1は、歯の成長を抑制する働きがあった。つまり、USAG―1が合成されなければ歯が生えるのだ。そこでUSAG―1中和抗体薬を開発し、見事マウスに歯を生えさせたという次第。現在、薬は人への利用に向け無歯症の治験の準備が進められているとのこと。実は、ヒトの歯は永久歯が終わりではなく、永久歯の次に当たる第3生歯の芽があるという。ほとんどの場合、成長に伴って無くなってしまうと考えられている。しかし「歯生え薬」の技術を使えば、第3生歯を生えさせる可能性があるとのこと。いずれは、入れ歯、インプラント、歯生え薬の3択の時代が来るかもしれない。
04日 6月 2023
名古屋城復元をめぐる討論会で「障害者は我慢せいよ」の発言があり、河村市長が陳謝したとのニュース。このニュースを聞き、第一感として、あの河村市長がまたヤラカシタと思った。名古屋城を昔通りの木製で復元する計画がある。討論のテーマは「名古屋城の天守閣の復元におけるバリアフリーについて」。名古屋市は、より忠実な復元を目指すとして新たな木造の天守閣には、現在設置されている5階までのエレベーターは設置せず、車いす利用者と介助者が利用できる2階までの小型昇降機を導入するとしていた。討論会に参加した車椅子の男性は、エレベーターを排除することは「障害者が排除されているとしか思えない」と主張した。ところが反対派の男性は「平等とわがままを一緒にすんなって。エレベーターも電気もない時代に作られた物を再構築するのに、なんでバリアフリーの話が出てくるのが荒唐無稽だ。おまえが我慢せえよ」と発言。その後行われた河村市長による挨拶も「熱いトークもあってよかった。ぜひ皆さんで愛する名古屋を盛り上げようみゃー」というにとどまり、差別的な表現をとがめるような言葉はなかった。後日、河村市長は「いろんな意見が出てくるのは当たり前のこと、それを禁止することは恐ろしいこと」とコメントしたが、結局制止出来なかったことに対し謝罪したとのこと。でも、河村市長の心の内に「障害者は我慢せいよ」があったことは間違いなさそうだ。こんな木造復元など止めてしまえ。
03日 6月 2023
藤井聡太竜王が渡辺名人を下し、名人位を獲得した。これで名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の7冠の偉業を達成した。しかも、20歳10カ月での獲得は最年少記録だ。残る冠は王座だけとなった。挑戦者決定トーナメントを勝ち抜けば、永瀬王座が待ち構えている。藤井名人と永瀬王座は、杉本師匠の教室で少年時代に共に将棋の研究に励んだ仲だ。でも、もはや昔の手の内は通じない。互いに如何に成長したかが問われる勝負となる。きっと奥の深い将棋が繰り広げられるに違いない。史上初の8冠獲得を期待したいものだ。一方で、プロ棋士でもチョンボはあるという話。ABEMAトーナメント2023予選リーグでの出来事。佐藤天彦九段と船江恒平六段の対戦は、プロ棋士には珍しい王手放置という反則で決着した。持ち時間が双方10秒を切り、盤上が、さながらボクシングの殴り合いの様相の中で、佐藤九段の3五角の王手に対し、船江六段は王の対応をせず、3八飛の王手で返してしまった。王手をかけられたら、王を逃がすなど必ず王手を防ぐ手を差さなければならず、王手をかけられた中で王に関係のない手を差すのは反則負けとなる。そう言えば、かつてNHK杯で橋本八段が二歩で負けたことがあった。プロでもチョンボはある。相田みつおではないが、人間だもの。偶にあるから益々面白くなる。
02日 6月 2023
自分は大学と大学院で化学を専攻し、化学会社で働いてきた。いわば化学漬けの半生だった。大学1年の時、当時103あった周期表の元素名と原子番号を全部覚えたものだ。でも、今まで元素がどのように生まれたのかは知らなかった。最近になって、本「時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙:ブライアン・グリーン...
01日 6月 2023
物騒な世の中になったものだ。聞き慣れないSIMスワップ詐欺なるものが相次いでいるという。ある日突然電話が繋がらなくなる。そして本人が知らぬ間に銀行預金が引き出されているということが起きるという。携帯番号が乗っ取られた為だ。自らの手元にスマホがあるのに、なぜ携帯番号が乗っ取られるのか。手口はこうだ。まず犯罪グループは、SMSなどで偽サイトに誘導して個人情報を盗み取る。その個人情報をもとに運転免許証などを偽造し、それを使って紛失の名目でSIMカードを再発行してもらったり、解約して他社へ乗り換える手続きをしたりする。そして、不正に入手したSIMカードを犯罪グループが持つスマホに差し込む。これで携帯番号の乗っ取りが完了だ。当然本来の持ち主の携帯は繋がらなくなる。その後、被害者のインターネットバンキング口座にアクセスし、あらかじめフィッシングで入手したパスワードを使い預金を引き出す、という具合だ。この手口だと、金融機関が使うワンタイムパスワードも犯人に届いてしまうので無効だ。SIMスワップ詐欺に掛からないための対策は、URLが公式なものかをチェックすることと、不審なメールなどに記載されているリンクや添付ファイルは開かないことだ。もっとも、携帯電話販売店がSIMを再発行する前に、被害者に電話して本人確認をするルールを確立すれば防げるのだが。
31日 5月 2023
早朝6時半頃、スマホがけたたましく鳴った。起きて確認するとJアラートだ。北朝鮮が沖縄県方面に人工衛星打ち上げと称してミサイルを発射した模様とのこと。NHKテレビは通常番組からJアラート関係に切り替わった。丈夫な建物に避難してくださいとかを繰り返し、延々と同じ内容を放送し続けた。すでに日本上空を通過したか、落下したかの状況下でも、同じ内容を放送し続けたのだ。全く無意味な内容を垂れ流し続けたのだ。緊急地震速報が発表された時も同じだ。すでに地震が起きてしまっていても、注意を呼び掛け続ける。震度3程度で被害が無い状況でも、各地の震度を延々と伝え続ける。NHKは本当に危機意識があるのだろうかと腹立たしくなる。NHKのルールか国のルールかは知らないが、危険を強調するほど、平常さを感じさせる。まことに準官僚気質の極みだと思う。これでは本当に危機が迫った時の対処は出来ないに違いない。この分野でもNHKの改革が必要だ。
30日 5月 2023
日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合することで基本合意したと発表した。日野自動車はトヨタの傘下で、三菱ふそうトラック・バスは独ダイムラートラックの傘下だ。日野自動車はデータ改ざんの名門で、国交省から型式指定の取消し処分を受け、未だにトラックを製造出来ない状況にある。一方の三菱ふそうトラック・バスは、大規模なリコール隠し事件を起しただけでなく、トラックの大型タイヤ脱落事故を起こし、世間に恐怖を与えた過去がある。しかも、両社に共通するのは、会社絡みの犯罪であったことだ。改ざん・リコール隠しが社風だったのだ。その2社が経営統合するというのだから驚いた。敵の敵は味方という諺がある。ひょっとすると、トヨタとダイムラートラックのトップは、改ざんには改ざんを持ってすれば、改ざん無しとでも考えたのかもしれない。まッそんなことは無いだろうが、両者間で騙しあいが始まるのは、見に見えている。さて、どんなトラックが生まれるのやら。
29日 5月 2023
マグネシウムと言うと、高校時代の化学の授業を思い出す。文系の高校生は、化学への馴染みが薄い。まるで外国語を覚える感じだ。だから、殆どの生徒は化学を嫌いになる。当然の事だと思う。自分は化学を生業としてきたが、高校2年で化学を習い始めた時は、MgはMという元素とgという元素からなる物質だと思っていたほど、化学が苦手だった。そのマグネシウムが今脚光を浴びている。マグネシウムは、健康でハッピーに生きていくために体が必要とするミネラルの一つだ。心臓の健康を守る、生理痛を和らげる、筋肉機能がアップする、骨の健康を支える、炎症を抑える、不安やうつを軽減する、血糖値を調節する、睡眠の質を改善する、胃酸の逆流や胸焼けを緩和する等々、八面六臂の活躍だ。一方工業材料としても期待されている。物質・材料研究機構はマグネシウム金属電池を空気中で製造する技術を開発した。マグネシウム電池は現行のリチウムイオン電池よりもエネルギー密度を高められると期待されている。その安価な製造方法開発したのだ。近い将来、電池はリチウムではなくマグネシウムと呼ばれ、時代の寵児になるかもしれない。
28日 5月 2023
自、公、立、維、国が「群雄割拠の時代に」と指摘したが、あえて共産を除いた。それには理由がある。共産の凋落ぶりが著しく、近い将来共産は社民と同様に日本政治への影響力が限りなくゼロになると思ったからだ。党員数は50万人(1990年)から27万人(2020年)と半減し、1980年に355万部あった赤旗の部数は3分の1以下に減った。さらに一昨年の総選挙で衆議院は12議席を10議席に、昨年の参議院選挙は改選6議席を4議席に減らした。かつて2000年には49人いた国会議員数は、今や21人しかいないのだ。その凋落の原因は何なのだろう。間違いなく、不破哲三と志位和夫が40年以上も絶対権力を持って党を牛耳ってきたからだ。共産はヒエラルキーそのもの。下部の意見は通らない。先日も、京都に強固な共産党支持層を作り上げ、その手腕から「京都に鈴木あり」と畏敬の念を持つ鈴木が、志位委員長の辞任を求めたため除名された。「シン・日本共産党宣言」で、党首公選制を主張したベテラン党員も除名された。そうかと言って、志位には共産を建て直す手立てが無い。不破・志位体制が続く限り凋落は続いていく。
27日 5月 2023
永久保存すべき重大少年事件などの裁判記録を廃棄してしまったことに関する調査結果を最高裁が公表した。永久的に保存される「特別保存」の指定は家裁所長が決定するが、所長に相談も無く機械的に廃棄されていたという。どうやら裁判所には、裁判が終われば記録は不要との風土があったとのこと。最高裁が「特別保存記録の膨大化の防止策」を全国の地家裁に出したことも廃棄を増長させた。全国的に記録庫が満杯なことも影響したようだ。重大事件の裁判記録は、社会の有りようや、ひずみを映すものであり、国民の財産とも言える。結局、最高裁の裁判記録に関する見識が欠落していたということだ。今後は、裁判記録を公文書館に移し、公文書管理の専門家が廃棄の可否を判断するよう改めるとしている。やっと諸外国並みに管理が出来るようになるかもしれない。でも、最高裁は当てにならない。だから「かもしれない」で文を結ぶことになる。

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