22日 7月 2024
もうすぐパリ五輪が始まる。会場準備は大変なようだ。開会式は、あのセーヌ川で行なわれるという。かつて一度だけセーヌ川クルーズを楽しんだことがある。だから、あのセーヌ川かと感慨深い。でも、観ると泳ぐでは大違い。今日はトライアスロンの話。セーヌ川の大腸菌汚染は甚だしいという。過去101年間、水質汚染を理由に遊泳が禁じられてきた。そう言えば、20年ころ前に行った時も、誰一人として泳いでいる人はいなかった。当時は、そんなことは想像もつかなかった。風景が汚染を凌駕していたのだろう。でも、いざ泳ぐとなると話は別だ。セーヌ川の大腸菌は、阪神のセ・リーグ優勝時に大勢が飛び込んだ道頓堀川の4倍もあるという。そのセーヌ川をパリ市長とエスタンゲ大会組織委員会会長が、安全をアピールするため泳いだという。カイワレの菅、狂牛病の武部を思い出す。しかし、パリのセーヌ川騒動を単に批判すべきではない。東京五輪のトライアスロンの会場であったお台場の海は大腸菌で満たされていたのだから。可哀想なのはトライアスロン選手たちだ。いつの日になったら、選手は真っ当な会場で力を発揮出来るのだろうか。五輪は選手を使い捨て、というフレーズが頭の中で響いている。
21日 7月 2024
テレ朝の番組「池上彰のニュースそうだったのか」の内容が、専門家から「テレビで放送すべきではない」と指摘されている。番組で池上は、諸説あるが「日本」の読みが「ニッポン」から「ニホン」になったのは「せっかちな江戸っ子が早口で話したため」と解説した。それに対し国語辞典編纂者が「これはきわめて明白な俗説中の俗説で、たとえ諸説ありと断ったとしても、テレビで放送すべきではない」と指摘したのだ。「諸説あり」という表現は、専門家が真実を追究して、それでもなお幾つかの説に分かれる、という場合にこそ使うべきもの。「事実に反する」とあっさり否定できるような説を「諸説」の中に加えるべきではない。「諸説あり」がフェイクを拡散させる免罪符になってはならない、と指摘しているのだ。「ニッポン」から「ニホン」になったのは、決して江戸っ子の所為ではなく、p→fという子音弱化なのだ。「母は昔パパだった」という表現が有名だ。決して、今様のLGBTではない。母を昔はパパと発音していたのだ。それが時代を経るにしたがってp→fという子音弱化で、ハハに変化したのだ。これが「ニッポン」から「ニホン」に変化した諸説の一つなのだ。知ったかオジサンの池上の底は浅く、フェイクオジサンとも言えそうだ。決して安易に諸説をまき散らすべきではない。
20日 7月 2024
豊田章男会長の「本社の海外移転も考える」発言が、波紋を広げている。交通安全祈願の催しの後に「自動車業界が日本から出ていけば大変になる。ただ今の日本は頑張ろうという気になれない。ジャパンラブの私が日本脱出を考えているのは本当に危ない」と語ったことが、切り取られ朝日新聞が報道したからだ。トヨタは型式指定の認証不正問題が発覚し、不正があった3車種の生産停止が3ヶ月続く。自動車評論家は「不正と言うよりはミスに近いが、国交省が不正だと騒いでメディアの報道に火をつけ、事を大きくしている」と指摘している。豊田会長は不正発覚後の会見で、国の認証制度について時代に合わない基準や不明確なルールが多く現場に負担がかかっているとして、制度改善の必要性を主張した。それが国交省の逆鱗に触れているという構図のようだ。確かに、国交省の認証制度は時代遅れで実情にマッチしていない。お役所仕事の典型なのだ。間違いなく、非は国交省にある。でも、だからといって、天下のトヨタが海外移転をちらつかし、脅しをかけるのはどうなのだろうか。豊田会長は昨年まで7年間も日本自動車工業会の会長をしていたのだ。会長の仕事をしっかりやっていれば、認証制度も改善されていたはずなのに。トヨタはカイゼンが得意だ。でも、社外では苦手なようだ。
19日 7月 2024
日本体操協会が、パリ五輪の宮田笙子女子体操代表選手が代表を辞退すると発表した。誰かが宮田選手の喫煙・飲酒をチクったからだ。本人は、たった一度の喫煙・飲酒を認め、代表を辞退したという。代表行動規範では禁煙・禁酒が義務付けられている。でも、現に本人はやる気で現地に行っているのだから、本人が自主的に辞退したのではないのだろう。日本体操協会が規範を楯にとって、世間体を気にして、無理やり辞退を説得させたに違いない。法律では20歳未満の喫煙・飲酒は禁止されている。日本代表選手は代表行動規範で規制されている。法規制から見れば、宮田選手は犯しているが、単純に法規制だけで判断して良いのだろうか。自分は、60年頃前に18歳で飲酒を始め、19歳で喫煙を始めた。当時の大学生としては、当然の慣習だった。いわんや、現在は、飲酒は20歳からだというが、一方で18歳が成人と規定されている。喫煙・飲酒は過ちではあるが大した問題ではない。一度の喫煙・飲酒で、五輪を辞退させるには酷過ぎる。五輪選手は国の代表だ。過酷なプレッシャーがかかっている。恐らく、宮田選手は独りでプレッシャーと闘っていたのだろう。日本体操協会は、五輪選手のプレッシャーをメンタルケアすべきであった。ケアもせずに辞退に追い込むなど、日本体操協会の怠慢が問われるべきだろうと思う。
18日 7月 2024
自民党の堀井学衆院議員が、秘書を通して有権者に香典を渡したとして、公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部が家宅捜索に入ったとのニュース。香典は本人が持参すれば賄賂には当たらない。でも、本人以外であれば賄賂に該当するという取り決めがある。堀井は2022年に、秘書を通して有権者に20万円の香典を渡した。それが今になって検挙の対象になっている。堀井は、あの悪名の高い安倍派に属していた。政治資金パーティー裏金事件で、2196万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明したが、検察の3000万円の足切りで立件は免れたが、20万円の香典は発覚してしまった。堀井は、その後副内閣相を辞任。更に次期衆院選に立候補しない考えを表明した。何だかおかしくはないか?2196万円についての脱税はOKなのに、20万円の香典はNGになる。以前バブル時代に会社勤めしている時に、同じような体験をしたことを思い出した。時の上司曰く「交際費は幾ら使っても罪には問われないが、100円の消しゴム一つでもくすめば犯罪になるのだぞ」と。世の中狂っているとしか言い様がない。
17日 7月 2024
今日は白髪の話。白髪と言えば、世界初の三冠監督に輝いた山田重雄元全日本女子バレー監督を思い出す。山田監督の逸話は多い。勝利に導いただけではない。緑色のレオタード風のユニフォームを推奨したが、選手達に「カエルみたいだから嫌」と嫌われ没にされることもあった。一夜にして白髪になってしまったことも有名だ。当時、まさかと思っていた。ところが、実際に一夜にして白髪になることは起こり得るとのこと。ナショナル ジオグラフィックにその回答が載っていた。髪の一生は、毛包から毛母細胞が成長するアナゲン期、成長のスピードが緩やかになり髪が毛包から離れるカタゲン期、新たな髪を成長させるために毛包が髪を放出する準備をするテロゲン期、そして髪が頭皮から抜け落ちるエクソゲン期から成っている。髪に色素が付くのはアナゲン期だ。毛包の毛球部にある幹細胞がメラノサイトを生成し、メラノサイトが色素を作る。ところが、年月がたつにつれてメラノサイトは勢いを失い色素を作らなくなる。その結果、毛幹の中はメラニンではなく空気で満たされるようになり、それが白髪に見えるのだ。休止期脱毛症と呼ばれる現象がある。ストレスなどによってテロゲン期の髪が増えるせいで、通常よりも抜け毛が増える。一気に抜けると、残された毛が以前よりも目立つことで、すでにあった白髪が目に付くようになるという。一夜にして白髪になるのだ。これで説明がついた。山田監督は、紛れもなくストレスに晒されていたのだと。
16日 7月 2024
中島聡と河野太郎の対談が、日本のDXを考える上で為になる。中島聡氏は、マイクロソフトでWindowsやインターネットエクスプローラーの開発を指揮した伝説のプログラマーだ。河野太郎は、強引が取り柄のデジタル相。結論から言うと「痛みを伴わない日本のDXに明るい未来はない」ということのようだ。日本のDXは、伝統的な企業がデジタル化に後れを取らないようにITゼネコンを雇って、デジタル化するのが殆どだ。つまり、DX化しても、新しいものは何も生まれない。一方、米国では、本屋がデジタル化するのではなくアマゾンが台頭し、放送局もデジタル化するのではなくNetflixに置き換わった。デジタル技術を使って新しいビジネスモデルを構築し、業界の構造そのものをひっくり返している。結局、日本ではDXがコストアップの要因になり、米国では利益の源泉になっている。日本では、ライドシェアにしてもドローンにしても、規制だらけで物事が進まない。マイナンバーと銀行口座は未だに紐付きになっていないし、マイナ保険証も進んでいないと中島氏は河野デジタル相を責める。確かに、中島氏が指摘する通り、河野デジタル相の歩みは遅い。しかし、今の政界で、痛みを伴うDX改革を推し進めることが出来るのは河野デジタル相くらいしかいない。規制改革を推し進めるには、強力なトップダウンが必要だ。いつの日か、河野が首相になるまで、日本のDXは進みそうもない。
15日 7月 2024
豊田章男トヨタ会長の株主総会での信任率が72%と急激に低下している。日本企業で初めて営業利益額が5兆円を超えた実績ができたものの、トヨタグループ内で不正問題が立て続けに起こりガバナンス能力が問われ、かつ経営スタイルに疑惑が持たれているからだ。グループの日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機に続き、トヨタ本体でも認証試験不正問題が発覚した。本人はモータースポーツに現を抜かしているが、企業統治が出来ていない。むしろ、トヨタ本体の計画有りき主義がグループ会社を不正に走らせている。総会で問われると、何と本人は「今後は院政を敷く」と言う。更に「院政というと老害のようなネガティブなイメージがあるが、本来の院政はむしろ、新しい時代を切り開く気概に満ちたものである。元々院政とは、後三条天皇が摂関政治からの脱却を図るため、働き盛りのうちに譲位されたことが始まりだ」と宣ったとか。すると、矛盾が生じてくる。章男本人が社長・会長時代はワンマンで摂関役はいなかった。摂関役は本人だったとも言える。本人が本人の能力を否定しているのだ。本人が院政を敷いても何も変わらない。むしろ、不透明さが増すばかりなのだ。結局、院政宣言はガバナンス能力の欠如からの逃げでしかなさそうだ。完全に勇退することこそ、明日のトヨタの糧になるはずだ。
14日 7月 2024
防衛省が国の安全保障に関わる「特定秘密」の不適切な取り扱いで海上自衛隊113人を懲戒処分した要因について考えてみた。防衛省は規律の緩みだと言っているが、果たして精神的なものと断言出来るのだろうか。海上自衛隊は、何十年も前から「特別防衛秘密」を運用してきた。これは、米国から供与された船舶・航空機・武器・弾薬などの装備品や、資材に関する非公開情報が対象だ。また米軍との取り決めで護衛艦の作戦室勤務は許されていた。ところが、2014年に特別秘密保護法によって新たに「特定秘密」ができ、同じような「特別防衛秘密」と「特定秘密」を同時に運用することになった。仕事量は倍になったが、運用する隊員の頭数は同じだから仕事が回るはずがない。上官ばかりが増えて、一兵卒は減るばかり。防衛費が倍増されても、使い切れない。訓練が充分出来ないので、事故が多発している。政府は金を出せば国防が強くなると勘違いしている。防衛省幹部は政府に実情を報告しない。いや防衛省幹部は実情を把握出来ていないのだろう。2026年から米軍は日本から撤退することになっているというのに、この為体では日本の国防もままならない。
13日 7月 2024
防衛省が218人にも及ぶ処分を発表した。問題なのは、国の安全保障に関わる特定秘密の不適切な取り扱いで121人が処分されたことだ。特定秘密保護法は、防衛や外交など4分野の情報のうち、漏えいすれば安全保障に支障をきたす恐れがあるものを「特定秘密」と定めている。特定秘密に指定された情報を扱う人は犯罪歴などを調べる適性評価をクリアする必要があるが、今回は資格がない隊員が特定秘密を知り得る状態にあった事例が多数確認された。責任を取って海上幕僚長が退職したが、木原防衛相は大臣給与を1カ月分自主返納するとしたが、辞任は否定した。また、兵庫県では斉藤知事のパワハラ疑惑で局長が自殺した。副知事は、知事に辞職を進言したが拒否され、自身が辞職した。斉藤知事は頑として辞職を拒んでいる。日本ではよく見られるトカゲの尻尾切りだ。木原防衛相も斉藤知事も、トップとしての責任を取り、辞職すべきだ。岸田首相は裏金事件で責任を取らない見本となったのだから、推して知るべし。もっとも、トップが責任を取らない悪習は、安倍政権時代に培われたものであることは間違いない。

さらに表示する