19日 10月 2024
米スタンフォード大学などの研究チームが「人には急激に老化が進む時期が2度ある」という内容の論文を発表した。44歳と60歳のタイミングで急激な老化が生じていたという。伊賀愛知大教授は血管の観点から納得がいくと言う。44歳頃は大動脈の動脈硬化が顕著に表れはじめる時期で、60歳頃には毛細血管の数が20代の頃の6割程度まで減ってしまうとのこと。老いを防止するには、血管年齢を若く保つことがポイントのようだ。科学学術雑誌サイエンスによると、タウリンが老化を防止するという。米コロンビア大学の研究チームがマウスで実験した結果、タウリン補給で寿命が延び、人間に置き換えると7~8才もの延命効果があったという。タウリンは体内でも合成されるが、経口摂取の効果が大きい。タウリンが多く含まれている牡蠣やたこ、いか、かつおなどの魚介類の摂取がお薦めとのこと。嬉しいことに好物と一致する。「名医の食卓:満尾正:アチーブメント出版」によると、若返りホルモンとして知られるDHEAを増やす食材は積極的に食べたほうがいいという。魚介類と1日4色以上の野菜がお薦めとのこと。そう言えば、我が家の食卓に鮭料理が増えた。鮭は免疫維持に欠かせないビタミンDをもっとも多く含む食材で、抗酸化成分であるアスタキサンチンも多く含まれている。まさに長寿食の代表例なのだ。医食同源という言葉を思い出した。
18日 10月 2024
理系研究者の8人に1人が雇い止めされているという。2013年に施行した改正労働契約法では、一般の労働者について有期雇用の通算契約年数が5年を超えると無期雇用への転換を申し込め、雇用主は拒否できないと定めている。研究者については、研究活動が長期に及ぶため、5年ではなく特例で10年に設定され、2023年4月に節目の10年を迎えた。この改正の主旨は無期雇用を促すためだ。10年働いて貢献している人はもう無期雇用になってもいいでしょう、というのが法の精神のはずだ。ところが、無期転換を逃れるため法の趣旨を逸脱したクーリングが使われている。クーリングによって、いつまで経っても10年を迎えられないのだ。挙げ句の果て雇い止めされる。諸悪の根源は、大学の法人化と運営費交付金減額にある。言い方を変えれば、国は科学研究の芽を潰しにかかっているのだ。米国のように日本の大学が公募により競争的研究費を増やすのは困難だ。その結果日本の大学レベルは世界に大きく遅れてしまった。一方中国は科学文献件数で世界一になろうとしている。国から潤沢な研究費が支給されるからだ。大学の法人化を見直す時期が来ていると思う。
17日 10月 2024
今年のノーベル物理学賞に伊東乾東大教授が異議を唱えている。人工的なニューラルネットワークによる機械学習を可能にする基礎的な発見と発明に対して、プリンストン大学のジョン・ホップフィールド博士とトロント大学のジェフリー・ヒントン博士が受賞した。ホップフィールド博士は、1982年にホップフィールド・ネットワークを提唱し、第2次AIブームの火付け役となった。だが、この仕事は1972年に発表された甘利俊一の仕事の焼き直しに過ぎないと断言している。また、ヒントン博士は、2006年の深層学習の成功で有名になったが、深層学習という発想はヒントン博士たちの試みの30年近く前に福島邦彦博士が発想、実装し実現していたものだと言う。ヒントンの研究室はAI大手を支える主要なエンジニアを多数輩出しているが、決して原点ではない。ノーベル賞は「本当の原点」を創始したパイオニアに授賞することとされてきた。ところが、近年は政治的忖度や利害でねじ曲げられている。本来、ニューラルネットワークを受賞対象にするのであれば、本当のパイオニアである甘利俊一、ホップフィールド、福島邦彦を授賞すべきと訴えている。同時に異議を唱えない日本政府に落胆している。選考者に科学的目利きがいなくなっているのかもしれない。
16日 10月 2024
第50回衆院選が公示され、各党の公約が一斉に発表された。「政治とカネ」一色になっている。党から支給される政策活動費を廃止するか存続させるかが焦点だ。自民は存続の方針だが、公明も含めた他党は全て廃止を求めている。しかし、各党の公約を眺めていて違和感を覚えた。衆院選の焦点が政策活動費であることにだ。国民感情は政策活動費の不透明さに集中しているが、それを騒ぐだけで良いのだろうか。日本は今、少子化、外交、経済、社会保障、憲法等喫緊の課題を抱えているというのに。そもそも、政策活動費の不透明さを騒ぐこと自体がおかしい。不記載の安倍派議員を非公認にすることもおかしい。総務省は政策活動費を記載するよう通達してきた。議員であれば誰でも知っていることだ。ところが、安倍派幹部は談合して、不記載の指示を出した。非公認にされた議員は幹部の指示に従ったに過ぎない。諸悪の根源は、不記載と決めた安倍派幹部らだ。政策活動費不記載を正当に断ずるのであれば、安倍派幹部らの議員資格を剥奪すべきであったと思う。政策活動費に不審な点があれば監査し、罰則を与えるよう法律を作れば良い。それだけの問題だ。政治とカネを騒げば騒ぐほど、国会議員が真の課題から逃げているように見える。
15日 10月 2024
就任3年目の新人監督の明暗がハッキリしたシーズンであった。新庄日ハム監督と立浪中日監督だ。日ハムは最下位に低迷していたが2位に躍進した。一方中日は3年連続で最下位に沈んだ。この明暗は監督のマネージメント力にあると言っても過言ではなさそうだ。新庄の信条は「機会は平等に、評価は公正に」だ。新庄は、過去の実績などに関係なく、選手全員にチャンスを与える姿勢で采配を振るった。個々の選手へのフォローもしっかりやったようだ。その結果若手が大きく成長した。万波、清宮、郡司、田宮、伊藤など数え上げたら切りが無い。一方立浪は、王様然と振る舞った現役時代と変わらぬ強権的なやり方で選手との間に溝ができ、特に中堅以上の選手から反感を買った。俺の言う通りやれという上から目線では選手が萎縮してしまう。若い才能を潰してしまった訳だ。また役にも立たない実績を重視し、中田、中島を重用し益々若手のやる気を殺いでしまった。明暗は、未来を見つめる者と過去にすがる者の差と言えそうだ。
14日 10月 2024
クーリエ・ジャポンの記事「先進国の美しいバナナやパイナップルのためにいまも産地が払う代償」が目に留まった。欧米で売られている美しいバナナやパイナップルはコスタリカ産が多いという。コスタリカは、世界第三位のバナナ輸出国、そして世界一のパイナップル生産国だ。2023年には、主に米国と欧州にむけて、200万トンのバナナと250万トンのパイナップルが生産された。しかし、バナナやパイナップルが美しいのには訳がある。欧米は美しいバナナやパイナップルを好む。だが、コスタリカは美しいバナナやパイナップルを作るため、危険な農薬を使用している。そのため、農園の家族の血液からは、クロロタロニル、マンコゼブという発がん性のある防カビ剤、子供の神経に毒となるクロルピリホス、神経発達を阻害する殺虫剤成分であるネオニコチノイドなどが検出されている。現地の人は発がん性物質漬けになっているのだ。欧米の域内ではこれらの農薬の使用は禁止されているのに、農薬の輸出は制限されずコスタリカで使われ続けているのだ。甚だしいダブルスタンダードだと思う。一方日本のバナナの85%はフィリピン産だ。さて、フィリピンの農薬事情はどうなっているのだろうか。
13日 10月 2024
環境省と日本自然保護協会の調査によると、全国の里山などに生息する鳥類のうちスズメなど16種の個体数が絶滅危惧種の基準に相当するペースで急速に減少しているとのこと。106種の鳥類のうち16種の個体数が環境省のレッドリストで絶滅危惧種の基準に相当する年3.5%以上のペースで減少していることが分かった。スズメが1年あたり3.6%減少していたほか、セグロセキレイが8.6%減っていた。チョウは103種のうち34種が年3.5%以上のペースで減っていた。環境省は、温暖化によって生息に適した地域が減少したり里山やその周辺の管理が行われず環境が変化したりしたことが影響しているとみられると推定している。そう言えば、我が家周辺でもスズメを見掛けることが激減した。長年、庭の餌台に市販の「小鳥のエサ」を置き、毎日スズメを眺めてきた。ところが、2週間前ころからピタッとスズメが来なくなった。温暖化とは無関係だろうが、原因が分からない。毎日眺めていたスズメが来ないと、何か寂しくて物足りないものだ。でも、エサを置いて、ひたすら待つしかない。
12日 10月 2024
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。授賞理由は、核兵器の無い世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを、証言を通じて示したことで、核兵器の使用は道徳的に許されないとする国際的な規範が醸成され「核のタブー」の確立に大きく貢献したこと、とされている。でも、そういう理由であれば、数十年前に授賞しててもおかしくない。何故、今なのだろう。世界情勢と被爆者年齢を考慮したのだろうと思う。プーチン大統領は、先月ウクライナに対し核兵器使用のハードルを引き下げる指針改定案を公表した。イスラエルはイランの核施設を標的にしている。核兵器保有国は兵器の近代化と改良を進め、一方で新たな国々が核兵器を手に入れようと準備を進めていると言われている。再び核兵器を使う危機が目前に迫っているのだ。更に決定的なのは、被爆者の高齢化だ。あと10年もすれば生き証人がいなくなる。核兵器の悲惨さが風化してしまうのだ。自分は、授賞の最大の理由は、生き証人の存在だと思う。日本も、生き証人のいる間に、核拡散防止条約の再検討会議に拘らず、核兵器禁止条約に参加すべきだと思う。
11日 10月 2024
何と公明党が、自民党から非公認とされた西村康稔元経産相を推薦すると発表した。西村は裏金作りの主導者だ。政治資金の不記載は総務相通達に違反するし、脱税そのもの。殆ど黒に近い犯罪者を推薦するというのだ。恐らく石井公明党代表は、公明票を上積み出来ると考えたからなのだろう。これほど理に合わない事までして、何になるのだろう。国民感情を逆なでするだけだ。平和と安全を是としていた公明党は、山口代表時代に防衛3法を認め、日本が戦争に参戦することを容認した。そして今度は、石井代表が殆ど黒に近い犯罪者を推薦するに至った。公明党の支持体である創価学会の信者らは、公明党の変質を如何に評価しているのだろうか。多分、創価学会の公明党離れが進むに違いない。もし進まなければ、党是「平和と安全」を「戦争と無法」へと変更すべきだと思う。
10日 10月 2024
日本のポスドクの就職率は相変らず低迷したままだ。日本の大学院博士課程を出ても就職先が見つからない。たとえ優秀でも仕方なく大学院に残り、院生の手伝い程度の仕事をしながら研究を続け、薄給の不安定な生活を送ることになる。欧米では、ポスドクはトレーニング期間として浸透していて、任期を終えた後は正規の研究員として、それぞれの研究を進めていくのが一般的だ。ところが日本ではそうならない。企業がポスドク採用を避けるのだ。入社した新卒を入社後に再教育して企業風土に馴染ませる慣習があることと、元々研究内容に重きを置いていないからだ。ところが、熊本に半導体工場を作ったTSMCが、ポスドク獲得のため全国行脚を始めたという。TSMCは役員28人のうち17人が博士号を持っている。TSMC幹部は「日本人は想定より働かないが、博士号を取得できる学生なら違うはずだ。昼夜を問わず研究開発に没頭できる人材を探している」と述べている。TSMCの動きで、日本の経営者がやっとポスドクの価値に気付くかもしれない。もし気付けばウインウインの関係が築かれるのだが。

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