15日 9月 2020
かつては傍流の技術だったベータボルタ電池が、最近になって注目されつつある。技術は未完だが本命とされているのがダイヤモンド電池だ。英ブリストル大学の研究チームが放射性炭素原子C14からなるダイヤモンド電池を試作し実用化実験を開始しているという。電池には、リチウムイオン電池のように化学反応によって電気をつくる化学電池と、放射線の電子を電力に変換するベータボルタ電池がある。前者は高出力短寿命だが、後者は低出力長寿命だ。今までのベータボルタ電池は、半導体素子の間に放射性物質が挟まれた構造になっている。半導体素子と放射性物質の距離で発電効率が変わってくる。ところが、この人工ダイヤモンドはサンドイッチ構造ではなく、放射性炭素原子C14が半導体素子と放射性物質の役割を果たしている。従って、電子の移動距離が極めて短く電力変換効率を最大化しているのが特徴だ。放射性炭素原子C14の半減期は5,730年。宇宙産業や危険箇所での使用が有望視されている。そのうち、電池寿命より本体が先に劣化し、修理が必要となる時代が来るのかもしれない。
14日 9月 2020
コロナ騒動で日本がデジタル化後進国であることが露呈してしまった。菅次期首相候補は早速デジタル庁なるものを公約に掲げた。果たしてデジタル化はデジタル庁なる役所を創設しないと達成出来ない代物なのだろうか。日経ビジネスによると、千葉県船橋市の保健所は今年3月に2週間という短期間でコロナ情報のデジタル化を実現したという。船橋市の情報システム担当者が相談を持ちかけた相手は、以前に市民向けに情報提供するモバイルアプリの開発を発注した実績があったセールスフォース・ドットコムSF。SFは1週間でベータ版を作り上げ、その後改良を加え、リアルタイムで感染状況が把握でき、県や厚生労働省への報告もすぐに出来る完成版を2週間後に納入したという。成功の要因は2つある。1つは、SFが一定期間無償提供すると申し出て、仕様書や予算獲得ありきの壁をぶち破ったこと。無駄な役所ペースの仕様確認・追加予算獲得の時間を無くしたということだ。もう1つは、開発途上のソフトウエアを依頼主に示しながら改良していくアジャイル開発という手法を取ったことにある。修正点を協議しながらの開発が可能になった。でも、日本の各省庁は独自のレベルの低いソフト開発会社を抱え固守している。しかも仕様書ありきだ。だから時間もかかるしお金もかかる。もし、菅のデジタル庁が船橋市と同じように出来るのならば上手くいくのかもしれない。結果はすぐに分かる。政治は結果で判断するものだ。
13日 9月 2020
米国の戦略国際問題研究所CSISが日本に向けて出すレポートは、米国の意向を伝えるものとして、日本の歴代政権に対して影響力を持っているという。安倍首相の辞任理由は、潰瘍性大腸炎だけでなくCSISレポートにもあると言われている。米国は中国封じ込め策へと転換し、そのための世界戦略の再編成を始めている。日本は二階幹事長が一帯一路に協力すると発言し、習近平を国賓として招こうとしていた。中国やロシアとの比較的に近い関係を維持する安倍政権では、この新戦略を実施するのは不可能であると判断したのだろう。政権内の親中派の存在に警鐘を鳴らし、間接的に辞任を迫ったようだ。一方で、河野防衛相がCSISのイベントにオンラインで参加し「衆議院の解散総選挙は10月のどこかで行われるだろう」との見方を示したことがリークされた。今年の1月には河野はCSISで「私は日本の総理大臣に並々ならぬ意欲を持っている。私は、日本の政治リーダーになるにふさわしい」と強くアピールしている。恐らくリークは河野でOKというサインなのだろう。CSISは外交問題評議会CFRの対日工作機関でジャパンハンドラーと呼ばれている。CFRは米国及び世界の政治・経済の方向性を牛耳っている超権力機関だ。菅政権が短命で終わり、そのうち河野政権が誕生すれば、日本の政治はCFRが意向を決定しCSISが実行することが証明されたことになるのだろう。
12日 9月 2020
日経ビジネスのコラム「言葉をこん棒として使う人たち:小田嶋隆」が面白い。さすがコラムニストの第一人者だと思う。一服の清涼剤だ。言葉をこん棒として使う人たちとは、安倍政権の主要メンバーのことだ。以下コラムを抜粋する。「現政権の主要メンバーには、質問にマトモに答えないこと、質問者を愚弄すること、会見を設定した言論機関の体面を失わしめること、質問そのものを揶揄すること、記者と政治家の間に設定されている会見が対等なコミュニケーションの場ではないことを記者たちに思い知らせること、質問の意味を意図的にすり替えて回答すること、回答の言葉を意識的に無意味化すること、といった調子のある種のニヒリズムが強く共有されている。これは、学級崩壊した教室の中学生たちが、授業の進行を意図的に無効化させようとする態度と相似で、授業妨害に参加しない生徒は仲間はずれにされる。菅官房長官による記者の言葉を聞かない応答や、麻生副総理による若手記者への恫喝も同じタイプの反応だ」。自分は安倍首相や菅官房長官の記者会見を見ていると、いつも不快に感じていた。その不快感の正体がこのコラムではっきり見えてきた。言葉をこん棒として使う通底がある限り、政権が替わっても何ら代わり映えしそうもない。
11日 9月 2020
今月初めにチェコの上院議長が率いる代表団が台湾を訪問したニュースには驚いた。一つの中国を国是とする中国は、台湾と関わった国を徹底的に叩くのが常態化されているからだ。チェコは一帯一路などで中国と親しかったはずなのに、何故敢えて台湾を訪問したのだろうかと疑問に思った。調べてみると状況は見えてくるものだ。中国は2014年に一帯一路構想を掲げた。2016年に習近平がチェコを訪問し、高額な投資を約束した。だが、約束は守られず対中国貿易の赤字が拡大。一方で台湾の鴻海科技集団やACERなどがチェコでビジネスを展開し、今やチェコ第二の企業規模で展開している。チェコが中国を切って台湾を選んだのは当然の結果だったようだ。独仏もチェコを後押ししている。各国の政治家は「一つの中国の原則」は放棄しないが、台湾との経済的な結びつきを重要視する傾向にある。もうすぐ米国は正式に一つの中国を否定し、台湾との国交を樹立するかもしれない。それはそれとして、中国は稚拙で暴力的な外交を悔い改めるチャンスではあるのだが。さて歴史が動き始めたようだ。
10日 9月 2020
核のゴミ最終処分場選定に向けた調査に対し、寿都町に続き北海道神恵内村が応募の検討を始めるとのこと。神恵内村は人口約800人、主要産業は漁業。泊原発のある古宇郡泊村の隣村で、安全協定を結ぶ立地自治体の一つ。原発を理解している村だと言う村人もいる。人口減少対策と雇用を生み出す方法の1つとして商工会が半年前から検討を続け、村議会に応募を検討するよう請願しているという。だが、問題は二つある。一つは、国が公表した処分に適した場所を示す科学的特性マップによると、神恵内村は南側の一部を除いて殆どが不適地とされている。核のゴミ最終処分場には適さないのだ。もう一つは、梶山経産相が「適地が一部でもあれば手を挙げられる可能性はある」と言及したこと。もし、神恵内村の南部に最終処分場が建設されれば、やがて不適地である神恵内村全体に最終処分場が増設されることは、今までの原発建設の経緯から見ても明らかだ。それが更に拡大解釈されて、北海道なら何処でもOKということになる恐れもある。梶山経産相を始め国の原発安全対策は極めて無責任だ。ここなら絶対大丈夫という立地を厳選すべきだ。脱原発派の河野防衛相が首相になれば、経産省の原発信仰を改宗出来ると思うのだが。
09日 9月 2020
次期首相を決める自民党総裁選の立候補者が出揃い、論戦がスタートした。石破は、地方創生、コロナ対策、特措法の改正、防災省の必要性を説き、国のあり方を見直すグレートリセットを主張。手元のメモは殆ど見ず、自分の言葉で自信を持ってアピールしていた。菅は、自身の生い立ちから決意表明まで、大半をメモを読みながらしゃべった。どう見ても自分の言葉では無い。安倍同様にスピーチライターが作ったものだろう。「しっかり挑戦していきたいと思います」と締めくくった。「しっかり」には具体性が無く、「思います」には実行するかは分からないという曖昧さだけが残った。岸田は、「え~、あ~」が多く準備不足で、優柔不断の印象を与えた。有事の際には全く役に立たないと自身が証明しているような感じだった。少なくとも、この演説会では、石破が首相として適任という印象を与えた。10月総選挙という噂もあるから、1ヶ月間の短命内閣になる可能性もある。誰が当選しても問題は無さそうだ。でも、このように政治家に演説や討論をさせることは非常に重要だ。すぐに底が割れる。米国の大統領選ように、1年かけて論戦を繰り返せば日本でも有能な首相を発掘出来るに違いない。
08日 9月 2020
モーリシャスの重油流出事故に関し、ジャグナット首相は茂木外相との電話会談後「決して日本の責任とは考えていない」と述べたという。流出事故が起きたのは7月25日。既に一月半が過ぎた。当初緊急援助隊を派遣し、小泉環境相も出来ることはやると表明したのに、その後民間マターだとして重い腰を上げなくなった。民間マターと言えども、日本船籍のタンカーが世界的な生物多様性のホットスポットを重油で汚し、環境や漁業に重大な被害を与えているのだから、日本は政府として積極的に回復を図る義務があるはずだ。モーリシャス政府もそう思っていたに違いない。だから、ジャグナット首相の「決して日本の責任とは考えていない」発言は奇異に感じた。茂木外相は今になって電話会談で、事故再発防止のための海上航行安全システム強化への支援、マングローブ林保全・再生のための専門家の派遣、モーリシャス経済への財政面を含む協力等々を提案・説明したという。こう提案されればジャグナット首相は支援の遅さに不満は言えず「決して日本の責任とは考えていない」と言わざるを得なかったのだろう。日本のやるべき最善策は、事故直後に重油流出拡大の防止と汚染防止対策の実施だったと思う。我が手を汚さず、全てを金で解決しようとする日本政府の常套手段には腹が立つ。
07日 9月 2020
近所の道路が水道・ガス工事で何カ所も掘り返された後簡易舗装され波打ち、車で通ると洗濯板に乗っているような揺れを感じた。先日全面的に表層が剥がされ、アスファルトで全面舗装された。ラインも再塗装され快適な道に生まれ変わった。ところが、そのアスファルトには大きな問題があるようだ。米イェール大学の研究チームが「アスファルトは二次有機エアロゾルの発生源である」と研究結果を発表した。二次有機エアロゾルとは、喘息や公害病のもととなる粒子状物質の一種だ。夏場のアスファルトはガソリン車やディーゼル車よりも多くの汚染物質を放出していることが分かったという。今回の研究のきっかけとなったのは、過去に行われたロサンゼルスの大気汚染に関する調査。大気中に含まれていた半揮発性有機化合物と呼ばれる汚染物質の出所が謎だった。都会は農村部よりも暑く空気も汚れている。これまでは自動車や工場の所為にしていたが、特に夏場はアスファルトが主犯のようだ。アスファルトは原油精製後の残渣だが、使い勝手が良く重宝していた。今後、汚染物質の発生を抑えるためのアスファルト改質か、アスファルトの代替となる材料の開発が必要だ。
06日 9月 2020
北海道興部町と大阪大学は、牛の糞尿から発生するメタンガスからメタノールとギ酸を製造することに世界で初めて成功したと発表した。牛は牛乳の3倍もの量の糞尿を排泄するが、処理しきれていないのが現状。しかも糞尿は生乳の品質を落とす原因になっている。一方、生成されるメタノールは燃料電池の燃料として使われている工業用アルコールで、国内生産が出来ず全量を輸入に頼っている。ギ酸は牛の飼料を水分調整する添加剤として使われているし、水素を取り出すことが出来るのでこれからの水素社会に利用出来る。大岡裁きは三方一両損で丸く収めたが、この技術は両方丸々益だ。通常、メタンガスと酸素を反応させると二酸化炭素と水に変わってしまう。成功したポイントとなった物質は「二酸化塩素」とのこと。二酸化塩素に着目したのは企業から「どうして二酸化塩素に殺菌消毒機能があるのか?」との相談を受けたのがきっかけとのこと。その相談と真摯に向き合うことで、今回の成功に辿り着いたという。異なるフィールドから情報を得て、自分なりに仮説を立て、突き詰めていくと新しい発見に辿り着くこともある。専門を深めることも重要だが、学際研究も大切という事例だ。

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