28日 7月 2025
水素は常温では無色の気体だが、定義的に色付けされている。グレー、ブルー、グリーンの3つにだ。色分けの理由は、その製造法にある。水素は宇宙でもっとも豊富に存在する元素だ。地球表面の元素数では酸素・珪素に次いで3番目に多い。水素は次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。ところが、水素は軽いので殆ど単体では存在せず、水やメタンなどの状態で存在している。水素を取り出すには、水やメタンを分解する必要がある。環境に優しい水素を得るには、製造時に如何に二酸化炭素の生成を抑えるかがポイントだ。グレー水素は、化石燃料を改質して水素を取り出すが、製造過程で二酸化炭素が発生してしまうという問題がある。コスト面ではもっとも優れているが、カーボンニュートラルの観点からは課題が残る。ブルー水素は、グレー水素の製造過程で発生する二酸化炭素を回収・貯留する技術を組み合わせたものだ。大気中への二酸化炭素排出を大幅に削減できるメリットがある。グリーン水素は、再生可能エネルギーを使って水を電気分解することで製造される。ただし、大量の電力を必要とするため、現時点ではコストが高いという課題がある。日本は、世界に先駆けて「水素基本戦略」を策定し、グリーン水素の技術開発を進めている。果たして、いつになったら水素はグレーからグリーンに変わるのだろうか。
27日 7月 2025
日本の税率が世界で2番目に高いとのデータがある。世界人口レビューの「2025年の最高課税国」によると、日本はフィンランドに次いで2位になっている。しかし、国別で税制が異なるので、正確な比較は出来ないのが実情だ。日本の税制は複雑怪奇だ。所得税以外に資産・資本にかかる税金として相続税、贈与税、固定資産税、市町村税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税がある。さらに消費・生活にかかる間接税としては、消費税、酒税、たばこ税、ガソリン税、石油ガス税・軽油取引税、自動車重量税、自動車税、航空機燃料税、電源開発促進税、再生可能エネルギー発電促進賦課金がある。財務省が発表する実効的な国民負担率は既に約48%に達している。国民は誰しも税金の取り過ぎに不満を持っている。政府の支出に関する透明性が低いからだ。何に使われているか分からないから不信感がある。グローバル税支出透明性指数によると、日本の租税支出透明性指数は105カ国中73位で、極めて低い評価を受けている。つまり日本は、世界トップレベルの税率でありながら、支出透明性はビリに近いのだ。財務省は、まず取ることよりも透明性の公表から始めるべきだと思う。
26日 7月 2025
パスポートを使ったのは何年前だったのだろう。思い起こすと、もう四半世紀前のことになる。2001年8月に米国へ出張し、その後1ヶ月も経たずに同時多発テロ事件が起きた。そして2002年に退職し、その秋、子供達の薦めと援助でカミサンと初めて海外旅行をした。当時、パスポートがあれば、単に海外の何処へも行けると思っていた。でも日本のパスポートが、どのような価値があるのかは知らなかった。最近、英国のコンサルティング会社が「世界のパスポートランキング」を発表した。日本は韓国と並び、堂々の2位に輝いたのだ。このランキングは、国際航空運送協会の独占データを用いた唯一のパスポート指数で、20年にわたるデータをもとに、199種類のパスポートと227の渡航先を対象に作成されているとのこと。日本のパスポートがあれば、190ケ国へビザなしで入国することが出来るのだ。因みに、1位はシンガポールだが、競う必要はない。では何故、日本のパスポートは世界中で「安心できる旅券」として受け入れられているのだろうか。その信頼は、日本政府の努力もあるが、日本人一人ひとりの行動にも支えられていると考えると、とても誇らしく感じる。世界から気味悪がられた団体行動は、すでに姿を消しているようだ。
25日 7月 2025
テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した。テレビニュースではジャングリア沖縄で持ちきりだ。ジャングリア沖縄の仕掛け人は、株式会社刀の森岡毅CEOだ。経営難に陥っていたユニバーサル・スタジオ・ジャパン、丸亀製麺、ネスタリゾート神戸などを立て直した人物として知られている。いわば日本を代表するマーケターだ。その人物が700億円の規模で「ジャングリア沖縄」に賭けたのだ。テレビニュースで見る限りでは、面白い。広大な土地で恐竜と遭遇したり、荒野を車で駆け巡ることが出来る。子供たちは大喜びだ。子供たちが喜ばない訳が無い。外国人たちも楽しんでいる。子供にも外国人にも受けることは間違いない。でも、ふと思う。今は日本の夏休みだ。でも、夏休みが終わったら、どうなるのだろうかと。恐らく、暇な外国人は来るかもしれない。だが、間違いなく日本の子供は学校があるから絶対来ない。日本向けだけを考えると、子供は春休み、夏休み、冬休みだけしか来ないのだ。経済的に成り立つ訳が無いと思う。しかし、これは素人判断だ。さて、刀の森岡毅CEOは何を考えているのだろうか。目算はあるのだろうか。このように自分の考えが及ばない世界を考えることは、無上の喜びだ。
24日 7月 2025
突如日米関税交渉が妥結したとのニュースが飛び込んできた。8月1日をもって25%を課すとなっていた関税が、15%に引き下げられたのだ。ビッグニュースとして伝わった。国内では、グッドニュースとして伝わっている。株式市場も爆上がりだ。元々2.5%だった関税が、4月にトランプが非関税障壁を含むと46%に相当するが24%にすると発表した。それが15%になったのだから日本中大喜びだ。でも、本当に喜んで良いのだろうか。関税の上げ下げはトランプのブラフに過ぎない。結果として、2.5%が15%になったのだ。喜んで良いのだろうか。交渉の詳細は不明だが「日本は15%を80兆円で買った」と言われている。80兆円を投資し投資利益の9割は米国で、1割は日本というから「買った」のは間違いない。昔、佐藤栄作は沖縄返還のため「糸を犠牲にして縄を買った」と言われた。今風に言えば「大金を貢いで車を買った」ということだろう。ところが、日米関税交渉の合意内容を記した文書はない。後日、揉めることは間違いない。結局、力の強い方が言ったもん勝ちになる。石破と赤沢は余りにも脇が甘すぎると思う。
23日 7月 2025
F高グルメの会に参加した。いわばミニクラス会だ。近隣の旧クラスメートが雑談をするための食事会だ。8人が集まった。雑談のメインは、先日テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」に出場した薬学系の先生。「笑いは健康の元」を信条としている。テレビ画面は、いきなり大笑いから始まった。応募で選ばれた理由は、笑いにあったという。先生は○鑑が描かれた青いTシャツを着てきた。当日出場者全員に配られたものではなく、最も目立った人だけに進呈されたものだと自慢していた。きっと人生の宝物になったに違いない。2次会は、近くのコーヒーショップ。経済学の元教授は、未だにケインズ本の翻訳を続けているという。教授曰く。経済の話かと思ったら、そうではない。チャットGTPの話だ。翻訳についても、本の要約についても、チャットGTPは的確で役に立つとのこと。現在は3つのAIを使い分けていると言っていた。科学が苦手な教授でも、AIを使いこなしていることに感心した。でも感心したのは、教授の努力にではない。誰でも簡単に使うことが出来るようになったAIの進歩にだ。脚本家大石静の遠縁に当たる人もいた。NHK「光る君へ」に続きテレ朝「しあわせな結婚」の脚本も手掛けている。益々「しあわせな結婚」の機微を感じるようになった。楽しいミニクラス会であった。
22日 7月 2025
中国の国家統計局副局長が胸を張って「今年上半期のGDP成長率は5.3%だった」と述べた。現実の窮状とは相当乖離がある。果たして、信用出来るのだろうか。昨年著名な経済学者が「中国の主要経済統計は3%上乗せしている」と発言し、大問題になった。近藤大介明大講師は、3%上乗せが妥当だと言う。実質は2%なのだ。経済学者は5.3%の妥当性を問われても「国家統計局はそう発表している」としか答えようがないと諦めている。10年前、経済学者出身の劉鶴副首相は「わが国には純粋な経済学など存在しない。あるのは政治経済学だけだ」と名言を吐いた。未だに変わっていないようだ。太陽光パネルやEVも生産過剰で過当な安売り競争が起きている。この7月に卒業した過去最多の1222万人の大学生・大学院生は、卒業即失業となっている。不動産価格はまだ底を打っていない。マンションはいくら安くしても売れず、白菜をまっすぐ立てたのと同じ価格という意味で白菜価格と言われていたが、最近はもっとか細くなってきてニラ価格とも言われている。中国は、悪い経済を隠そうとする。それなのにピカピカのデータを掲げるから、政府の政策も建前上、5%成長に基づいたものになる。すると誤った政策を遂行してしまい、さらに経済がおかしなことになる。結局、割を食うのは14億国民ということになるというのに。
21日 7月 2025
新興政党の党首は大阪人ばかりだ。日本維新の会、れいわ新選組、参政党、日本保守党、NHK党の党首たちは大阪で育ったり、学んだりしている。吉村洋文維新代表は大阪府河内長野市出身。山本太郎れいわ代表は兵庫県宝塚市出身。神谷宗幣参政党代表は福井県高浜町生まれで、関西大法科大学院を修了し、大阪府吹田市議も務めた。百田尚樹日本保守党代表は大阪市出身。立花孝志NHK党党首は大阪府泉大津市出身で、同市長選と参院選兵庫選挙区にも出馬した。どうやら党首が大阪人ばかりというのは、偶然ではなさそうだ。共通点は、大阪人と言うよりは関西弁とみるべきだろう。関西弁は押しが強くヅケヅケ言えるが受け方は軽い、庶民に親しみ易い、お笑いの言葉でエンターテイメント性がある。新興政党の党首が主張する言葉として適しているようだ。そう言えば、テレビに出て来るお笑い芸人もジャニタレも、殆ど関西弁だ。新興政党の党首もお笑い芸人もジャニタレも、自分を前面に出すのが共通点だ。党首らは舞台の上で偶々政治の話をしている、と考えると何故か腑に落ちる。
20日 7月 2025
カナダの流通大手アリマンタシォン・クシュタールACTが、セブン&アイ・ホールディングスの買収提案を撤回すると発表した。今後敵対的な手法で買収に乗り出す可能性も否定した。ACTはセブン株主にとっては魅力的な総額約7兆円で同社を買収する提案をしていた。結局、セブンの牛歩戦術とACTの株価下落による資金事情悪化と米国での独禁法抵触の恐れのため、断念したのだろう。日本としては一応一安心だ。でも今後、日本の大企業が買収に晒されることはないのだろうか。経済産業省が2023年に「企業買収における行動指針」を出し、真摯な買収提案は真摯に検討すべきだと示した結果、海外企業による日本企業の買収意欲はがぜん高まっている。狙われている日本企業はセブンだけではないのだ。もはや業界大手の企業ならば、海外からの買収リスクは小さいだろうという「安全神話」は崩れたのだ。大買収時代が後戻りすることはないと言われている。原子力安全神話が崩壊したように、買収されないとする安全神話は崩壊し始めたようだ。
19日 7月 2025
パートの年収400万円の時代が確実にやって来るという。非正規労働の常識は時給1000円、年収200万円が当たり前だから、年収倍増の時代がやって来るということになる。「しまむら」のパート時給が2000円超えたという。フルタイムで働けば年収400万円になる。スーパーのまいばすけっとでも深夜の時間帯の時給は1800円となっている。多くの企業で正社員の賃金が伸び悩んでいる中、非正規と正規の逆転現象が起きているのだ。変化の要因は幾つかある。1つは、若い労働力の確保だ。若い労働力人口の減少ペースが加速している中で、如何に採用を増やすかがポイントだ。そのため時給をアップしたのだ。もう1つは、年収の壁の撤廃だ。例えば週18時間を時給1600円のチェーンストアで働くようなことが出来れば、税金も社会保険料も回避出来る。即ち時給の高いパートのほうが従業員を採用しやすくなったのだ。更にもう1つは、団塊ジュニアの引退だ。高給取りが減り、その分若者に回せば若者の採用を確保出来る。「しまむら」の快進撃は、商品開発だけでなく、パートの処遇を最優先に考えていることが勝因だと思う。

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