汚染土、除染土の処理は一向に進まない

福島原発事故で発生した汚染土を保管する中間貯蔵施設の運用が始まって今年で10年が経った。国は運用開始から30年後の2045年3月までに、汚染土を県外に運び出し最終処分すると県に約束している。期限まであと20年だ。施設内の地権者で「30年中間貯蔵施設地権者会」の会長は、汚染土の問題解決は先送りされたままだと訴えている。この度、国は除染で取り除かれた除染土のうち、放射性物質の濃度が低いものを総理大臣官邸の敷地内で再生利用する方向で最終調整に入ったとのこと。環境省はその場合の工事関係者や周辺住民の追加被ばく線量が、国際的な基準で一般の人の限度とされる年間1ミリシーベルトを超えないようにするための基準を定めた。除染土を巡っては、20年に小泉進次郎元環境相が理解醸成のパフォーマンスとして大臣室に鉢植えを設置した。しかし、5年後に官邸で再生利用とは言っても、鉢が花壇に変わるだけだ。汚染土、除染土の処理は一向に進まない。