WHO傘下の国際がん研究機関IARCは、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉の発がん性のリスクに警鐘を鳴らしている。加工肉に含まれる亜硝酸ナトリウムは、加工肉の発色や菌の増殖に効果がある反面「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と定義される分類に属している。亜硝酸ナトリウムは、体内で胃酸などと反応して、発がん性リスク物質であるニトロソアミンに変化するからだ。でも、厚労省は、ボツリヌス菌の増殖を抑えるなどの目的で亜硝酸ナトリウムの添加を義務付け、一人一日摂取量:0.284mg/人/日と定めている。以前「食べてはいけない」という本を読んだことがある。亜硝酸ナトリウムは、がん因子と断定していた。それ以来、加工肉はなるべく摂らないよう努力してきた。ところが、今回、ハム大手4社が、加工肉と亜硝酸ナトリウムの安全性について、安全との見解を表明したのだ。表明自体は画期的だと思うが、内容にはガッカリした。簡単に言えば、厚労省の摂取量を守れば、人体に無害だというもの。ああ、この業界も「親方日の丸」に守られているのかと思った。でも今や、食卓に加工肉は欠かせない。だからこそ、ハム大手4社には、真摯に科学的検証をしてほしかったと思うのだ。
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