アニサキスあれこれ

近年アニサキスによる食中毒が増えている。厚労省によると、日本の食中毒の半数はアニサキス症とのこと。でも、博多では生のマサバが名物だが、アニサキス症など聞いたことが無い。それには理由があるようだ。日本海と太平洋でマサバの寄生種が大きく異なるという。日本海のマサバには殆どアニサキスは見られないとのこと。道理で、福井県小浜のサバも有名な訳だ。一方アニサキスの医療利用もあるという。阪大ではアニサキスを使ったガン治療が研究されている。アニサキスは線虫の一種だ。線虫はガン細胞の臭いを嗅ぎ分けられるのでガン検査に用いられている。阪大では、アニサキスをゲル膜でコートし、そしてゲル膜にガン細胞を殺傷する薬剤を入れた。このゲル膜でコートされたアニサキスをガン細胞を含む培養液に入れたところ、24時間後にはガン細胞を死滅させることが確認できたという。今後、アニサキスが不要になったらすぐに殺したり、アレルギー反応を起こさなくさせるなどの技術の開発は必要とのこと。アニサキスがガン細胞を検出し、攻撃する新しいガン治療法につながるのも夢ではなさそうだ。