マイナ保険証はDX化の壮大な失敗例

現行の健康保険証が廃止される12月2日まで半年余りとなった。全人口の7割がマイナカードを保有し、7500円相当のポイント付与施策が功を奏し、そのうち8割がマイナ保険証の登録を済ませ、マイナ保険証の登録自体は人口の5割を超えた。しかし、マイナ保険証の利用率は6%に留まっているのが現状だ。何故利用率が上がらないのだろう? 国民がデメリットを無意識に見抜いているからだ。まずメリットを感じないのに、政府が使用を無理強いしていること。もともと厚労省は、マイナ保険証と現行の保険証との選択制を打ち出していた。ところが、河野デジタル相が唐突に自治体の意向を無視して健康保険証との一体化を言い出し、2024年秋の現保険証の廃止時期を公言したのだ。しかし、廃止するには問題山積み。災害が起きたときの停電時には通信不能で機能しない。通常時でも、デジタル化によって、病院と薬局における薬剤情報、また病院同士の電子カルテなどの情報共有が促進されることは無い。フォーマットが不統一なのだから。高齢者や障がい者施設では、マイナ保険証の管理は出来ない。カード・暗証番号の紛失時の責任が重過ぎるのだ。しかも、退職・転職したら、自治体の処理が遅く、使えないという。おまけに、健康保険証が廃止されても、資格確認書という健康保険証に換わるものが設定されている。元々健康保険証とマイナカードを結びつけるには無理がある。G7では日本だけ。デジタル先進国の北欧のエストニアや台湾でも別々にしているのが現状だ。河野デジタル相は岸田に流されず、もっと勉強すべきだったと思う。結局、マイナ保険証はDX化の壮大な失敗例になりそうだ。