揚水式発電所の建設推進を

核融合発電の実用化は先が遠い。日本の現在の電源構成は、火力70%以上、太陽光9.2%、水力7.6%、原発5.6%、バイオマス3.7%、風力0.9%、地熱0.3%となっている。2030年の目標は、火力41%、原子力20~22%、再エネ36~38%とされている。しかし、原発は地震大国の日本にはそぐわない。太陽光は昼間しか発電しないし、設備の寿命が短いのでサステーナブルではない。日本の立地条件を考えると、今後は水力と地熱に力を入れるべきだろうと思う。いま揚水式発電所が注目されている。高低差をもつ上部と下部の2つの調整池を水路で連結し、中間部の発電所で発電する方式だ。夜間電力の余裕分によって下部調整池より上部調整池に水を汲み上げ貯蔵、昼間の電力ピーク時に上部調整池から下部調整池に水を流下させて発電することで、日変動の調整と安定供給が可能になる。北海道・京極発電所は最大出力60万kWを発電し、一般家庭の約7万世帯分をカバーしている。長野県・群馬県にまたがる神流川発電所も山梨県・葛野川発電所も成果を上げている。電力は送電ロスが大きく、地産地消が最も適している。日本の地形を考えれば、全国に多くの揚水式発電所を建設すべきだと思う。おまけに水害の防止にも役立つことになる。日本のエネルギー政策は根本から見直されるべきだと思う。