核融合研究の推進を

政府は核融合の研究に2024年度からの5年間で約200億円を投じる。次世代技術である核融合発電の実証開始時期を2030年代に早めるため、技術開発や人材育成の支援に向けた新法をつくる方針だ。核融合発電は、太陽の内部で起きるのと同じ反応を応用する。原子の核同士をくっつける時に出る膨大なエネルギーで発電する。燃料の重水素は海水に含まれるため資源リスクが少なく、発電時に二酸化炭素を出さない。原子力発電と比べ使用済み核燃料の放射能レベルが低く暴走事故も起こりにくいため安全性が比較的高いとされている。まさに次世代の発電技術と言える。ただ核融合反応の安定には燃料をセ氏1億度の超高温に維持する必要があり、制御技術が課題だ。核融合反応を連続して起こした事例はまだない。電力源に乏しい日本にとって、世界に先駆けて核融合発電に成功すれば、まさに一発逆転だ。政府は本腰を入れて開発を推進すべきだと思う。