劇症型溶連菌の治療薬

溶連菌の働きを抑える特殊な分子を発見したと、神戸大などの研究チームが発表した。溶連菌に感染すると、のどが痛くなったり、熱が出たり、場合によっては体や手足に発疹が出たりする。舌が苺のように赤く、ぼつぼつしてくる。もう40年近く前になるが、長男が溶連菌に感染し、心配したものだ。溶連菌の中でも症状が極めて重い劇症型というものがある。今回の発表はその劇症型の治療薬の発見についてだ。その溶連菌とは、手足の急速な壊死や多臓器不全を引き起こす劇症型溶血性レンサ球菌感染症の原因となる溶血性レンサ球菌のこと。致死率が30%と高く「人食いバクテリア」との異名を取っている。溶連菌はDNAを分解する酵素を出し、人体を守ろうとする白血球の働きを妨げることで病状を急速に進行させる。チームは筋ジストロフィーの治療研究に使われる化合物が水中で塊になると、酵素の働きを阻害することを発見。塊になり面を作ると菌を捉えやすくなり、酵素に結合して働きを抑えるという。但し、化合物は水中で勝手に塊になるため血液中では血栓になるリスクがある。チームは、塊のサイズを小さくすることで解決できるとしている。今後の成果を期待したい。