人口戦略会議が、全自治体の4割に当たる744自治体で、人口減少が深刻化し、将来的に消滅の可能性が高い「消滅可能性自治体」に該当するとの試算を公表した。しかし、政府は素っ気なく、マスコミも国民も関心が薄い。10年前増田リポートが「消滅可能性都市」を公表したときは衝撃が走った。増田リポートの狙いは「激増する首都圏の高齢者を地方に移住させること」だった。だが狙いは外れた。その代わりこのリポートに悪乗りしたのが当時の安倍首相だ。安倍は地方創生を打ち出した。でも、地方自治体に計画を作らせて国に提出させて、その中で国が見て良いものを支援するスキームは見事失敗した。地域振興ではなく、補助金獲得がメインになってしまったからだ。今回は「消滅可能性都市」を「消滅可能性自治体」に改めた。地方の反応が薄かったからだ。消滅可能性自治体から脱した自治体は239に上り、新たに99が仲間入りした。100年後も若い女性が5割近く残る65自治体を「自立持続可能性自治体」と新たに定義した。子育て支援に力を入れる千葉県流山市や印西市、茨城県つくばみらい市が選ばれ、TSMCを誘致した熊本県菊陽町、外国人住民の比率が人口の約1割を占める岐阜県美濃加茂市と愛知県飛島村も選ばれた。消滅可能性自治体とは大層な言い方だが、子育て支援、企業誘致、移民歓迎で地方が創生したことは誰でも知っている。新鮮味の無いリポートだと思う。
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