交番と駐在所が減っている

交番と駐在所が減っている。現在のペースが続けば2050年代前半には2000年代初めに較べて4割減になる。理由は3つあるという。刑法犯認知件数が2002年比で7割減ったこと、施設が老朽化したこと、交番勤務を担う警察官が減ったことだ。日本では交番や駐在所が地域に密着し、住民からの信頼を得ることで治安維持や防犯に貢献してきた歴史がある。でも、交番や駐在所の廃止による治安への影響を警察当局が示したデータはない。だが、雨宮筑波大教授は、駐在所が減った地域では住民の不安が1割高かったと言う。また、時代と伴に犯罪の種類が変わっている。サイバー攻撃やテロが増えている。自ずと警察の警戒重点領域は移っていくのは当然だ。それでも交番や駐在所の機能は維持する必要がある。移動式交番やロボットなどを考案し、安全・安心を確保すべきだ。しかし、最も深刻な問題は、交番勤務を担う警察官が減ったことだ。実務を熟すよりも昇進試験が優先される。昇進者が溢れ、頭でっかちな組織構成になり、現場は慢性的に手薄だ。自衛隊も同じだ。現場の戦闘員が不足している。現場が弱ければ機能しない。警察も自衛隊も抜本的な組織改革が必要だ。