ついに1ドル155円台へ突入し、約34年ぶりの大幅な円安となった。この3年間で1ドル100円から155円に動いたのだ。外国人旅行者が喜ぶ一方で、日本人が苦しい生活を余儀なくされている。とうとう産業界も行き過ぎた円安は困ると言い出した。日銀がマイナス金利の解除に政策転換した。日銀は円安を止める効果があると決断したが、円安は更に進んでしまった。日銀は見誤ったのだ。米国は金利を下げる環境にはなく、一方日本経済は急激な金利上昇には耐えられない状況にあるので、当面、緩和的政策を続けざるを得ない。しかも、米国FRBは市場から約230兆円の資金を回収したが、日銀は600兆円の回収が進んでいない。円安が更に進むことはサルでも分かる。たとえ財務省が為替に介入して数円戻したとしても、その後は165円まで進むとも見る者もいる。問題は、日銀が円安を止め円高に誘導する政策が全く無いことだ。円安に誘導したのはアベノミクスだ。当時の黒田総裁は「円安は日本経済にプラス」と言っていたが、鈴木財務相は今でも「円安にもメリットがある」とほざく始末。歴史を見れば、自国通貨が下落して栄えた国は無い。円安は一時的なカンフル剤に過ぎない。カンフル剤漬けになって身体を横たえているのが今の日本の姿と言えそうだ。政治家も経済学者も経営者もこれまでの金融政策を検証すべきだと思う。
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