リニア反対の援軍が現れた

皮肉なことに川勝が静岡県知事を辞めてから、リニア反対の援軍が現れた。認知科学者の苫米地英人は「リニアは新幹線の4倍もの電力を使う。つまり原発再稼働が前提なんですよ。コロナ禍によってリモート作業が定着してリアルで会わないとビジネスできないと思ってる人はどんどん減っている」と否定的だ。生物学者の池田清彦は「リニアを構想した時と10年後では産業構造が全く変わってしまうので、リニアは無用の長物になると思う。リニアは開業できるかどうか?2034年以降に開業できたとしても赤字必至だと思う。トンネルばかりで景色がほとんど見られない列車には観光客は一度乗ったらもう乗らないよ。建設費を回収することはほぼ不可能だと思う」と同じく否定的。20世紀はより速く移動することが大きな利益をもたらす時代だった。新幹線網もそうした時代の流れの中で整備されてきた。だが、これからの時代は、スピード第一ではなくなっていく。完成した頃は誰が見ても、無用の長物だ。だが、政府は6月に閣議決定する予定の経済財政運営の指針「骨太の方針」に、品川―大阪間の全線開業時期を最速令和19(2037)年と改めて明示する方向で調整に入ったとのこと。税金をドブに捨てながら安倍・葛西の遺物完成を後押ししている。