宮城野親方への過重な処分は何故

元横綱白鵬の宮城野親方が弟子の暴力問題で監督責任を怠ったとして、2階級降格の処分を受けた。親方から最下位の年寄りに降格され、宮城野部屋は閉鎖された。宮城野親方は、暴行を把握しながら協会への報告を怠り、外部の人を使って協会の調査を妨害したとされている。それにしても、2階級降格と宮城野部屋閉鎖は余りにも過重な処分ではないだろうか。一方で、八角理事長に近い者に対しては、甘い処分が続いている。今回の改選で協会のNo.2である事業部長のポストに就いたのは、かつて弟子をゴルフのアイアンで殴る暴行事件を起した春日野親方だ。陸奥親方は、部屋の力士が暴力隠蔽事件を起こしても報酬減額処分だった。今回の処分は弟子の暴行とされているが、真相は何なのだろう?宮城野親方は、顔が広く金集めも上手い。サービス精神も旺盛だ。でも、現役時代から相撲協会に対して物怖じせずに発言しており、従順なタイプではない。一方で、協会には八角理事長の次期候補不在の問題がある。通常、理事長になるのは横綱か大関経験者だ。でも、芝田山親方も浅香山親方も左遷されてしまった。続くのは宮城野親方しかいない。だが、八角から見ると宮城野親方は問題児に映るとみえる。今のうちに潰しておこうとの魂胆らしい。要するに協会は異文化を受け入れない閉鎖社会だ。英国の思想家バークが「保守のための改革」という言葉を残している。つまり根本にある精神の部分は変えずに、時代に合わせて細部を微調整していくことの重要性を説いたのだ。協会全員でバークの「保守のための改革」を勉強すべきだと思うのだが。