政倫審不発は野党の戦術ミス

下村元文科相の政治倫理審査会への出席は期待されていた。裏金作りは20年前の森元総理から始まったのは衆知の通りだ。森を政治倫理審査会に引っ張り出すことが解明の手がかりになる。安倍が亡くなった後、下村は安倍派の長に就きたいと森に懇願した。ところが、拒絶されたどころか、土下座したことまでバラされてしまった。下村の森への憎悪は計り知れない。だから、下村は政治倫理審査会で森の悪事をぶちまけるかもしれないと思われていた。ところが、下村は5人衆と同様に「知らぬ存ぜぬ」を連発し続けた。またまた森に屈してしまったのだろう。一方、野党の追及の仕方も間違っていた。安倍派の幹部たちが素直にゲロするはずがない。安倍派のもっと下を活用すべきであった。例えば、宮沢博行元防衛副大臣。宮沢は、派閥側から3年間で140万円の還流を受けたことと、派閥側から政治資金収支報告書に記載しないでいいとの指示があったことも説明し、辞任した。更に「こうなった以上、正直申し上げる。派閥からしゃべるなと指示された」とも言っている。宮沢を問い詰めれば、自ずと裏金作りの黒幕が炙り出されてくるはずなのに。