新築分譲マンションの価格高騰が顕著だ。東京23区の平均価格が1億円を超えたという。世界情勢の不安定化による資源高と円安、金融緩和による金余りの背景もある。建築資材費はこの2年で2割以上上がった。労務単価の影響で、建設業界が労働基準法の順守を求められる「24年問題」や政府の賃上げ要請もあり、さらなる上昇はほぼ確定的だ。今後も都心部の価格上昇トレンドは続くと考えられている。タワーマンションの購入者は、シニアカップルや富裕層だという。タワマンは高層、綺麗、高額の3Kというイメージだ。3Kと言えば、昔からきつい、汚い、危険な職場の代名詞だったが、3Kも随分出世したものだと思う。タワマンは確かに一つのステータスではあるが、その人気はいつまで続くのだろうか。武蔵小杉のタワマンの浸水事故のように、いつ何時停電・断水するか分からないリスクを抱えている。元々年寄りが住むにはリスクが大き過ぎる。現在東京の人口ピラミッドは、50歳前後の団塊ジュニア層がもっとも多く、若年層は減る一方だ。20年後はタワマンには不向きな70歳が最多層になる。そう考えると、タワマンの価格高騰はバブルと言える。遠くない将来に、廃墟と化したタワマンが林立する光景が見えてきそうだ。
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