新幹線架線事故は管理の手抜き

JR東日本が23日の上野駅大宮駅間で起きた架線事故は、架線の重り装置の老朽化によるものと発表した。この事故で、東北新幹線171本、上越新幹線51本、北陸新幹線61本の合わせて283本が運休し、12万人余りに影響が出た。その上に復旧作業していた作業員2人が感電し病院に運ばれた。事故の原因は、架線の重り装置の重りを支える鉄製の棒が破断して、架線が垂れ下がり、車両に接触したためという。破損した装置は東北新幹線の大宮―上野間が開業した1985年から約38年間1回も取り替えていなかった。通常は劣化の状況を踏まえて30年ほどで交換することになっているのだが。JR東日本の新幹線には、同じ装置が約490カ所あるが、半数に当たる約250カ所が同様に30年を超えているという。破断した原因は、長期の金属疲労によるものだろう。要するに、JR東日本は目視検査でお茶を濁していた訳だ。JR東日本は、利益追求に偏りすぎ本業以外に力を入れているが、肝心の運行安全には相当力を抜いている。かつてJRには、在来線で同じような管理不足による事故があった。今回の事故はデジャブかと思ったくらいだ。経営トップの頭が相当歪んでいるということだ。