能登地震の予測情報は存在していた

能登地震は地震予知技術が未熟のためではなかったことが判明した。能登半島の活断層によるマグニチュード7.6の地震予測情報は存在していたのだ。国土交通省の「日本海における大規模地震に関する調査検討会」は、津波対策の観点から、日本海側の60カ所の活断層が動いた場合の津波や地震の発生規模を2014年には予測していた。その中で、震源能登沖のマグニチュード7.6の地震を言い当てていたのだ。この調査は専門家の間では広く知られたという。だが、日本の地震研究の本丸である文科省傘下の地震本部は、この調査結果を知りながら対象として外してしまったのだ。本丸の文科省が国交省なんぞのデータを受け入れられるか、ということだったのかもしれない。まさに縦割り行政の弊害だ。そればかりではない。文科省の「全国地震動予測地図」には大きな間違いがある。震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を色分けしており、能登は0~3%となっている。これを参考にして、石川県では「安全だから企業来て」と企業誘致をしていたのだ。しかし、日本列島は地震の巣。日本全国危ないのだ。この地図は、地震の危険度を点数でつけるとすれば、90点と95点を色分けしたにすぎないとの意見もある。地震本部へのシビアな検証が必要だ。