文脈の切り取りとは、引用元の意図を無視して文節を抜粋することだ。意図的であることもあれば、意味を取り違えたり省略したことによる偶発的なこともある。いずれにしても、その「文脈の切り取り」はよく騒動を起す。発信者の意図とは正反対の意味で引用されることが多いからだ。偶々テレビチャンネルを換える途中の番組で垣間見た内容に違和感を覚えた。一瞬のことなので、文脈の切り取りなのか、真面な批判なのかはわからない。羽鳥慎一モーニングショーで、台湾総統選挙について各コメンテーターがコメントしていた。玉川コメンテーターが「国民党と民衆党は中国と融和を図ろうとしているが、民進党は中国と戦争しようとしている」とコメントした。しかし、透かさず他のコメンテーターが「民進党は米国と組んで中国との戦争を回避しようとしている」とフォローした。玉川の文脈は知る由も無いが、文脈を切り取ると世論をミスリードしているのでコメンテーター失格だと思う。一方、NHKでは、千葉県のキョンについて特集されていた。自分が見たのはキョンの革細工のシーンだけ。すると、MCが「キョンも可哀想ですね」と締めくくった。キョンは行川アイランドが閉園した後に、管理の拙さで千葉県に大繁殖してしまい、農作物や花壇を食い荒らす害獣だ。自分は「キョンも可哀想ですね」を切り取り、NHKのMCの常識の無さに腹が立ってきた。文脈の切り取りとは、こうゆうものだ。でも真実は分からない。
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