今年は公的年金財政検証の年だから

今年は5年毎に行われる公的年金財政検証の年だ。公的年金に関する長期見通しが発表されることになる。日本の老若男女は誰しも、安心して老後生活を送れる制度が約束されるのかを知りたいと思っている。いや、最早破綻しているので、年金を当てにすること無しに、どうすれば良いのかを考え倦ねているとも言えるのが現状だ。だからこそ、この機会に、今後の日本経済と医療・介護保険も含めた社会保障制度がどうなっていくかを議論することが必要だと思う。2024年度予算案の目玉は少子化対策や所得税減税とのことだが、このような断片的な政策ではなく、今後社会保障制度がどうなっていくかに集中すべきだと思う。しかし、政府は明確にせず、制度の破綻を覆い隠してきたのが現状だ。政府の公的年金の財政検証は、実質賃金の伸び率を高評価し過ぎている。医療・介護は、歳出合理化や歳出削減が中心になっているが、実態は自己負担の増加なのだ。かつて「老後は2000万円が必要」という金融庁の報告書で日本中に激震が走ったが、現実なのだ。大原国際投資アナリストは、年金は壮大な国家絡みのネズミ講とまで言っている。人口動向を前提として、0歳以上の世代が95歳まで生きるとした場合、一人当たりの貰える年金額を機械的に試算すると、0歳1818万円、50歳2433万円、90歳4873万円となるという。誰が見ても破綻している。今年を抜本的な制度見直し元年とすべきだ。