ダイハツの機能しない内部通報制度

ダイハツの認証試験不正で波紋が広がっている。発端は今年4月に内部通報を基に不正があったことをダイハツが公表したこと。翌月には第三者委員会を設置し、全容の解明と原因の追求を行なった。そして、12月に新たに174件の不正が見つかったと発表し、国内の全工場の生産を2024年1月末まで停止することに至った。当初、内部通報により発覚したため、ダイハツの内部監査は正常に機能しているとむしろお褒めの評価をされたものだ。ところが、事実は内部通報ではなく外部通報だったとのこと。ダイハツには内部通報制度「社員の声」がある。第三者委員会によると、社員らは内部通報制度に不信感を持っていたという。言わばお飾りの内部通報制度だったのだ。身内で身内を告発するのは難しい。自分にも経験がある。工場長時代のことだ。工場組織内に品質管理課があったが、同じ組織内にあるため、どうしても品質管理が甘くなる時があった。そこで、品質管理課を工場から切り離し、独立した品質保証部を作った。これは上手く機能した。しかし、組織を分けたからといって、上手くいくとは限らない。ダイハツでも同様な組織はあるだろう。問題はその組織の上に立つ者の見識だ。そう言う意味で、ダイハツの組織の長は、長として失格としか言い様がない。